富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

パンケーキを毒味する

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香港で選挙人選挙が昨日無事実施される。反政府派の暴民による選挙妨害もなく香港の治安安定は見事。七名だかの民主派による投票所付近での抗議活動に記者が十数名で警察は40余名だかで警戒に当たつたといふ。

以往那种造谣抹黑的歪风已经消散,换来新的选举文化,而今次选委会选举反映了新选制的多种特色。最重要是整个投票过程非常安全,见到很多选民摘下口罩确认身份时,都是露出非常灿烂的笑容,感觉非常安心,不需要再担心投票有生命威胁。

投票所で投票実務に当たつた建制派のコメントである。もう反政府派による意図的な選挙妨害もなく安全に投票が行はれ投票する市民は本人確認で(HKIDと照合するため)マスクを外したとき誰もの顔は安心と満足した笑みを浮かべてゐた……と。なんて素晴らしい。「もう危険な目に遭ひながら恐る恐る投票することない」なんて、選挙当日の投票所周辺での賑やかな応援合戦のことでしかないのだが、あまりに一方的な見方。だがもうさういふ社会なのだから致し方ない。今日のTBSラヂオの荻上チキセッションで倉田先生がチキさんの「もう香港では民主化運動とかが根絶されるなかで何ういつた抗議ができるのでせう」といふ質問に市民が何らかの声を上げようと思つたら抗議活動も言論も封鎖されるなかで辛うじて選挙権はある立法会選挙で(反対派の候補者はゐないのだから)白票や無効票を投じることくらゐしかなくなるとコメントされてゐた。白票だと不正行為も心配なら複数の✔️をするしかないだらう。香港では選挙の投票で何ういつた行動をとるかは個人の選択で辛うじて自由だが「選挙に行くな」と主張して呼び掛ければ、それだけで国安法で捕まへることもできる。


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本当はスガが辞任表明なんてする前に見たかつた〈パンケーキを毒味する〉を見た。

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瓜連のあまや座は観戦対策で客席半減のところ満席。この映画のなかでも最後、選挙に行くことをアピールする大学生たちの活動が紹介されてゐたが敬老の日に朝から反政府映画を見にきてゐるのは高齢者ばかり。若者はこんな映画を見ることにも関心がないか。見て何か考へても何うしようもないと高を括つてゐるだらう。それでもスガ退陣を「妥当」が6割と今日の毎日新聞世論調査結果。スガの退陣を以て内閣支持率が11p上昇で37%といふのだから何て皮肉。辞めることで支持率があがるなんてブラックジョークだがそれが現実。この映画を見てゐて感じたのはスガといふ人が政治に憧れたのは権力であつて、それだけ。権力をもつことでの優越感。劣等感の塊だから、それがしたい。晋三の官房長官で政府の財布を握り機密費で好き勝手やつて官僚を顎で使ふ……それができたのだから、さぞや快感だつただらう。それがハメられて晋三の後釜にされたところで乗つたのがやはり浅はか。所詮、首相になるやうな大局観も政治信念も何もないのだから。この映画でインタビューを受けるのに登場したのが自民党では石破先生と村上誠一郎先生だけ。国会の委員会中継の映像を見てゐたら河野太郎の貧乏ゆすりが気持ち悪かつた。次はあれが首相なのか。何もしない、できないスガも困るが異星人的宇宙観で以てワケのわからないことをしさう。

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2時間もスガの表情を見続けてさすがに気持ちもげんなりしてパンケーキを食べたくなるはずもない。あまや座に来た2回はこれまで久慈川を渡り太田の〈佐竹〉で蕎麦だつたが今日は国道118号で北の大宮へ。太田だとか大宮だとか群馬か埼玉のやうだがいずれも「常陸」がつく。久慈のこのあたりは蕎麦の名産地だが太田はウドンも昔から評判で太田の〈いずみや〉といふ老舗のうどん屋の支店が大宮にあつた。常陸太田のうどんはコシがあるどころか噛んで歯が疲れるほどで讃岐うどん人が食べたら咽喉に閊へて呼吸困難で窒息死もの。「饂飩を食べる感じ」でこれはこれで美味しい。醤油汁が濃そうだけど見た目より、さっぱり。昼の12時半にはうどんは売り切れ。

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久慈川辰ノ口にある親水公園

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久慈川の辰ノ口の川岸にある「道の駅」(かわプラザ)へ。連休で広い駐車場は満車。他県ナンバーの車もかなりあつて混雑してゐるが施設への入場制限するでもなくマスクを除けば「コロナって何」といふやうな感じ。まさにコロナ慣れ。スタンプ好きのアタシは道の駅スタンプがあつたので押印しようとしたら駅でも博物館でもスタンプ押すのなんてたまに子どもがゐるくらいなのだが次から次へのスタンプ押す大人がゐてみんな同じスタンプ帳を持つてゐるので何かと思へば 関東「道の駅」スタンプラリー2021なんて今年の4月から再来年3月まで、まるでお遍路さんのやうに根気の要る201ヶ所だかの完全制覇なんてやつてしまふ人がゐるわけだ。今日のやうな良い天気で道の駅の丘を下り久慈川の川岸では水遊びする親子が微笑ましい。辰ノ口は地名が文字通りだが久慈川がS字に曲がるところ。この道の駅のところはS字の曲線の外側で川岸は子どもが遊べるくらゐだが本流の流れは早く一昨年の台風19号での氾濫もあつた。今日はお彼岸の入り。カボスを買ひ求めてかぼすのお風呂に入る。
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本日は農暦八月十四日。こんなに天気が良いからお月さまもかなりきれいなことだらう。中秋の月は東空に上がつてくるが月の出は陋宅からは東に大きな樹木があって、その陰に月が煌々と。まるで朝日が上るやうに明るい。ご近所の酒店〈たなか〉で「芋焼酎が好きなら」と勧められた〈野海棠〉を飲む。初めてなので少し味見したら、これは美味い、美味いけれど芋焼酎でこれくらい洗練されてしまふと「直」(ぢか=ストレート)しか選択肢ないだらう。月を愛でつゝ家人と四合瓶をさらさら、っと飲んでしまつた。
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