米政府が香港での事業に「データ管理などにリスク」と警告(朝日新聞)に対して「廃紙一張」(米国の制裁は下らない紙切れ)と罵倒する中共。東京五輪は選手村内で感染と日本の防疫失守を嘆く。この五輪が中国でだつたらどれだけ完ぺきな感染対策を成功できるか、とマジに思つてゐるだらう。実際にその通りだ。資源もない日本にとつて唯一のセールスポイントは仕事への緻密な取り組みとシステムの正常さだつたのだが、それが崩壊してしまつたのだから。五輪で感染はもう驚かないが大きな事故、それもヒューマンエラーによる、が起きないことをたゞ祈るばかり。
東京五輪に向け香港隊も出発。香港が中国と別に選手団送つてゐるのは香港が中国の特別行政地区として一国両制がきちんと機能してゐる証左である。
IOC会長バッハ「選手活躍見れば感情和らぐ」国内の五輪懐疑論に言及「日本の方々には人生をかけて大会にくる選手たちを歓迎してもらいたい」と何様のつもりが妄言 https://t.co/UafqBmiXQT
紀蔚然『台北プライベートアイ』(文藝春秋)読む。朝日新聞の書評(垣間見える台湾社会の魅力と闇|好書好日)で、この邦訳を知つたが2011年に台湾で刊行され話題になつてゐたといふが全く知らずにゐた。劇作家で大学教授でもある呉誠(ウ―チェン)が俄か仕立てで私立探偵に。初の依頼は他愛ない案件だつたが、全く関係のない台北でおきた連続殺人事件に巻き込まれ犯人と疑はれ自分の免罪を晴らすために真犯人探しに挑むのだが……とハードボイルドの推理小説としての設定は見事。台北の六張犂(りゅうちゃんり)の裏町・臥龍街を舞台に呉誠の母、妹や周囲の友人らのいかにも台湾人らしさもよく描かれ「へそ曲がりのインテリ丸出しの呉誠の屈折した世界観を通じて台湾社会の魅力と闇を垣間見ることができる」(朝日)。かなり物語で描写と説明がくどい長編で一寸食傷気味になりかねないが舩山むつみさんの翻訳がじつに素晴らしい。会話の節々に台湾語がそのまゝ残されアクセントにもなつてゐる。この長編を一晩で一気に読んでしまつたが(以下、ネタバレではないが推理解決に関はる点の記述あり)プロットから本題となる連続殺人事件への結び付けにかなり無理あり、そして推理小説として何よりも難点になつてしまつたのは連続殺人の猟奇的真犯人はいつたい誰だらう?と読みながら推理を楽しんでゐたのに真犯人はプロットからこの物語に、それまで全く出てこない別の人物であること。これはミステリーでルール違反だらう。
東京オリンピックの防疫対策に協力するため、私は総統および行政院長と話し合った結果、日本への訪問をキャンセルすることにしました。
— Audrey Tang 唐鳳 (@audreyt) 2021年7月18日
予定は変わりましたが、私にとって三つのことは変わりません。 pic.twitter.com/ILyEWcZNdo