富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

東京五輪まであと16日

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保安局長として蘋果日報摘発の李卡超(現職は香港市役所政務司長)が香港の選挙候補者審査委のトップに:朝日新聞

もう何も驚くまい。親共勢力による香港の政治装置の独占で安定した社会の建設。それ以外の何ものでもない。

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銅鑼湾の警官殺傷後に現場で自殺した抗議派市民追悼が制限される香港。SOGOの前で花束をかゝへて歩いてゐるだけで警察に職質され荷物検査され逆権に関するもの所持あれば国安法でしょっ引かれる。そんななか大量の韮を抱へた黒服の女性が銅鑼湾に現れ警察は職質。「これは韮です、献花ではありません」。警察は渋々、この女性を解放。ちなみに韮は発音は「jiǔ」で「久」と同じ。刈り取っても何度でも生えてくるので逆権運動の継続の暗喩でもあるわけですね。

▼本日農暦五月廿八日。小暑。今日は七夕ではない。七夕は陽暦8月14日。もう立秋もすぎて季節が秋めいてきて、のころ。東京五輪を目前に都の感染者数がV字回復!なんて軽口をたゝいてゐたら一気に900人と千の大台が間近に。重点措置延長で何うにか五輪開催に漕ぎつきたかつたスガも致し方なく4度目の緊急事態宣言。もう緊急事態宣言に集団免疫ができてしまつたのだが。そんななか茨城の旧軍射爆場跡地で毎年開催されてきた(昨年は中止)日本最大のロックイベントROCK IN JAPAN FESTIVAL 2021が中止に。さまざまなイベントが中止となるなか主催者にとつて苦渋の選択だつたがプロデューサーの渋谷陽一氏曰く「このコロナ禍にあって医療関係の方の協力と理解は絶対に必要なものです。それを得る為には私たちは努力しますが、これまで書いてきたように、医師会からの要請に十全に応えることは今の私たちにはできません。残念ですが中止以外の選択肢はありませんでした」。スガの「これを最後の緊急事態宣言にしたい」とか「万全の感染防止で五輪開催を」なんて誰にも響かない言葉に比べ、この渋谷氏の言葉からどれほどの気持ちが人々に届くことか。茨城県医師会から主催者への「要望」は「まさに」(スガ調)いまの日本の公的判断そのもので「今後の感染拡大状況に応じて、開催の中止または延期を検討すること」は肝心なところで当事者に判断を委ねてみせる。開催に向けて日が近づくにつれ1日に何千万円といふ支出が嵩んでゆくわけで、その最後に中止は最悪で「これ以上判断を先に延ばすことは余りにもリスクが大き過ぎます」。実は東京五輪も同じなのだが、その判断から逃げ続けてゐる。渋谷氏は、当事者に判断を委ねるのに、その基準も曖昧な点を指摘してゐる。

その解釈は余りに多様で基準が曖昧です。何をもって感染拡大とするのか、それに基づく中止や延期の基準となるものは何かは明示されておりません。感染者数なのか、死亡者の数なのか、病床の使用率なのか、あるいは緊急事態宣言の発令なのか、私たちには分かりません。それでは私たちは対応ができません。その状況で判断を先延ばしにすることはできません。

渋谷陽一氏の言葉は国民の苦痛な叫びの代弁のやう。スガなどに国政を任せてゐるのならいっそのこと渋谷陽一氏を首相に!

名古屋場所大相撲中継を見てゐて客席は艶やかなお姐さん方が晴れ着で、なら目を楽しませてくれるところだが初日は大須の芸者衆も段差に足を投げ出して縁側ぢゃないんだからと呆れるほど。それが今日はピンク色のシャツ姿のお兄さんがきちんと正座で姿勢もよく感心させられた。

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白鵬四連勝。今日もけして横綱相撲とは思へない、土壇場からのラッキーな勝利だつたが朝青龍も最期はあんな相撲をとつてゐた。横綱があんな勝ち方でニヤニヤと苦笑したりするものではない。むしろ「こんなことで自分は何うするのだ」と苦渋の表情でもすれば「白鵬、頑張れ!」とアタシも思ふかもしれないのだが。

パサージュ論(一) (岩波文庫, 赤463-3)

ヴァルター=ベンヤミンの『パサージュ論』読む。といつても、あんな大著をさらりと通読できるはずもなく岩波文庫の第1巻で読んだのは序説の「パリ ― 19世紀の首都」(ドイツ語草稿)と今村仁司のあとがきのみ。近代市民革命を経てゐるからこそ、巴里や倫敦は近代的都市の完成形たり得る。維納や羅馬なども、その時代を体得してゐるから同じやうに近代の都市となる。わが東京は何度も焼失はしてゐるが近代革命を経てゐないので巨大な田舎のまゝ。そこで京都の方が面白いのかもしれない。ふと「ところで東京に巴里のやうなパサージュはあるのかしら?」と思つてグヾつたら日本でパサージュといえばパチンコ屋かヘアサロンで、青山にできた商業施設でそれ風の名前のところもあつたがパサージュといふには正鵠を得てゐない、ただの路地のやう。浅草の新仲見世のやうな(水戸でいへば宮下銀座)アーケード街はパサージュのやうだが一筋の通りに屋根があるばかりで京都の錦市場も横筋は無蓋で新京極と交わるところだけは多角に広がるパサージュではない。

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考へてみれば核兵器禁止条約の署名、批准すらできない国(なのか何うかも怪しいところ)なのである。近代的な防疫などできようはずもない。
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