富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

東京五輪まであと26日

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香港の民主化を名目にした実は国家転覆の黒暴活動などに惑わされず国家の創造的未来は宇宙へ!香港での宇宙科学技術展をやけに大々的に報じる党紙。「時代精神耀香江」って……「時代革命」はアウトだが。

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朝日新聞が「香港公安報1年」で「奪われた自由」といふ連載記事始まる。蘋果日報廃刊もあつてこの連載は重みがましたか。第1回は中共が香港に置いた香港国家安全維持公署について。果たして香港に中共のやうな強国の国家安全を危うくするほどの力があるのかしら。一昨日(25日)の朝日新聞の記事(香港言論一気に中国化)で林望・中国総局長の指摘は尤も。

共産党政権は香港民主派の背後に中国の体制転覆を図る米欧勢力がいると断じる。しかし息も絶え絶えになっている香港の一新聞社をつぶさねばならないほど中国の体制はもろいのか。小さなリンゴが巨象に踏みつぶされた姿を世界がどのように見つめているか。そのことへの自省がなければ「信頼され、愛される」大国への道は遠のくばかりだ。

(以下、要旨)コロナ対策-都市のロックダウンや違反者への制裁なども含む強力な措置をとった欧米に対して日本のほぼ強制力を伴わない「自粛要請」。通常の場合には政府の強権を批判し個人の権利を強く唱える野党や多くのメディアがコロナ対策では政府はもっと強力な措置をとるべきだという批判。

欧米の「国家」への意識。コロナに対する意識は対策という生易しいものではなく戦争。

①都市封鎖など政府による強力な私権制限(大多数の国)

「戦争」とは個人の生命・財産をめぐる問題ではなく第一義的に「ひとつの共同体の存立に関わる危機」。個人の生命・財産といえども、それをひとつの社会において共同で防御するのが国家。それゆえ国家の基本的な役割は「個人の生命・財産の安全確保」にあるが、あくまでそれを「共同のもの」として守る、つまり「社会の安全確保」にある。 

②一種の自由放任主義スウェーデンなどごく一部)。

政府の役割は最低限に限定され、ほとんど私権の制限もなく個人の自由をそのまま維持。これを「個人の権利意識の強靱さ」などと解釈するのは一面的。これは「個人の生命の多少の犠牲を覚悟しても、できるだけ速やかに集団免疫を獲得し社会全体を安定化する」という趣旨。ここでも第一義的には社会の安全確保が国家の役割。基本にある思想は他の欧米諸国と同様「国家の役割とは人々の生命・財産の、いわば共同の防衛」。

市民は私的な権利を持つ。そのことは法的にも保障される。しかしその法を確保するために人々は共同で国家を創りだした。つまり政治的共同体を創出し自らをそこに投げ入れた。したがって市民と国家の関係は二重になっている。一方で市民の私的権利は国家の干渉から守られなければならない。しかし他方で、この国家(共同社会)の秩序が危機にさらされた時には、市民は最大限の公共精神を発揮して国家のために役立たなければならない。

日本には西洋の歴史伝統が生み出した国家意識はない。市民意識の欠落。人間に脅威を与える「自然」との対決において「国家」という政治共同体を理解するような考えは日本にはまずない。国家という政治共同体は日本ではほとんど自生的に生まれ、いつもそこにあるもので、それが「自然」との対決で作り出されたという意識はほとんどない。日本ではこのような共同社会を守る「戦い」という意識は低い(とくに感染症や自然災害においては)。しかし現代の世界では国家の危機という「例外状態」は徐々に常態化しつつある。「自粛要請」型でゆくのか、西洋型の強力な国家観を採るのか。自粛型は市民の良識に頼るということであるが果たしてそれだけの良識がわれわれにあるのだろうか。どうせ国が何とかしてくれると高をくくりつつ、ただ政府の煮え切らなさを批判するという姿勢に良識があるとは思えない。

……じつに佐伯先生らしい冷静な見方。国家といふものの存在意義と、その担保についてじつによくまとめてゐる。そしてまるで自然のやうに国家があつた日本の曖昧さ。それゆゑ天皇制にせよ政治装置が一木一草に宿る。コロナ対策でもロックダウンは厭ひ自粛もできない結局は良識のなさ。だが佐伯先生をしても、それでは日本は何うすればまともな国家観をもてるのか、の回答は出てゐない。

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本日農暦五月十八日。さういへば昨日は大槻能楽堂梅若万三郎〈景清〉があることを村上湛君から教へてもらつてゐて、もうこの時期なら古呂奈もおちつくころかなと地元の百里基地から神戸に飛べば日帰りもワケもないとお能の席を手配しておいたら大阪は疫禍賑やかで大槻での公演は次々と延期か中止、この公演もさて何うなるか、緊急痴態宣言は解除され公演は無事に開催となつたが、こんなときに歌舞音曲で上方に遊ぶことはやはり世間さまにご迷惑でやはり憚られ切符は勿体ないところ岸和田Y氏に尋ねたら義母さまがお能を習つてゐらして、この公演は行きたいと思つたらすでに売り切れで残念だつたさうだから是非にとお切符お譲り。湛君からはじつに素晴らしい舞台だつたと聞いてまことに残念。

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本日の競馬は宝塚記念で、これが終はれば夏休み。6戦6勝のレイパパレはDI産駒でG1も4月の大阪杯は立派なものだつたが2千米迄で阪神のこの六月末の22百米はバテないか。昨年のこのレースと年末の有馬記念の覇者で牝馬のクロノジェネシスは相棒の北村友騎手怪我で代替がルメール騎手、これに勝てば牝馬初のグランプリ3連覇となればぜひそれを実現で次は凱旋門賞へと一押しでレイパパレかカレンブーケドールとなるが、それぢゃ馬券が面白くないからと大阪賞2着のモズベッロ(6番人気)をクロノの連対にしてレイパパレ、カレンを入れてみたところクロノは上り34.4秒で見事に勝利だつたが先行した7番人気のユニコーンライオン(坂井)が最後まで踏ん張つてクロノに勝ちを譲つたものゝ2着で3着にレイパパレで期待のモズベッロは8着と振るはず。

絵でわかる 建物の歴史

この絵本、子どもむけだが実によくできた内容で大人が読んでも実によく建物の歴史を納得できてしまふ。エジプトのピラミッドからルコルビジェ、ザハハディドまで。余りに読んで面白い。