富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

週刊文春


f:id:fookpaktsuen:20210218080753j:image

f:id:fookpaktsuen:20210218080756j:image

獄中にある蘋果日報ジミー黎智英社主別容疑で再逮捕。同氏と国家転覆共謀だかで当局に目をつけられてゐた助手の逮捕逃れ幇助だとか。黎智英保釈させぬために一つでも罪がほしいところか。 

f:id:fookpaktsuen:20210218221100j:image

 今日発売の週刊文春。「文春砲」4連発。普段週刊誌も読まないが図書館で読めた。

  1. スガ長男と総務省の衛星放送疑惑では文春が執拗にも、その料理屋で他人客然と彼らの会話内容まで録音。これの公表でさすがに総務省官僚は今日の国会で自民党通信族議員に関するコメントは「私の音声」と認めたが放送事業に関しては「記憶にない」とシラを切る。やはり密談は赤坂とかの料亭の密室でしなければいけない。他の客がゐるところでといふ脇の甘さ。
  2. 自民党代議士の懲りない夜の繰り出し。さっと自民党離党、次期選挙に立候補せずとしたのは、まだ報じられないお遊びの中身がよほどお下劣だつたのだらう。
  3. 今日、東京五輪組織委会長は橋本聖子となつたが森喜朗から蹴球川渕への禅譲は密室と非難され橋本は森子飼いなのに女性だから良いのか……橋本は女性だが高橋大輔への酔ったらブチューの接吻ぢゃ「おやぢ」だろ、セクハラ具合が。
  4. NHKではスガを怒らせた有馬キャスターと二階に睨まれたクロ現+の良識派・武田記者の降板。すべて自民党絡み。文春は保守といはれるが保守=自民党ではない。

少なくとも保守には保守の矜持といふものあり。その矜持のなき今の自民党……がなぜかうも強権安定なのか。

阿部潔「東京オリンピック 世論の支持が消えたわけを社会学から考える」毎日新聞

五輪の高い支持率を支えていたのは大会理念への信奉や経済効果への評価といった「積極的な賛意」ではなく「五輪は“日本にとって”何となくいいものだ」という漠然とした予感と期待に過ぎなかったのではないか。

この予感と期待には、ナショナルな一体感や共感を求める時代の情緒的な気分が関係していたように思う。世界的なイベントである五輪を開催して「ニッポンってすごい!」という機運が生まれれば「みんな=私たち」も心地よくなれる。それはソーシャルメディアで「いいね!」を押し合うことで互いに自己承認が得られる感覚と共通しているように思う。

森永卓郎「オリンピックがコロナ対策を狂わせた」毎日新聞

政府はなぜ川淵氏の会長就任を拒否したのだろうか。(略)

川淵氏は森前会長から後継指名を受けた2月11日に記者からの問いかけに「会長は東京オリンピック開催の可否について判断しなければならない」と答えた。森前会長は「開催の可否を検討するのではなく開催のためにどうするのかを検討する」という立場だった。また川淵氏は「観客がいなくてオリンピック、日本でやる値打ちあるの?海外でやるのと同じ」とも話している。無観客開催でテレビでみるだけなら日本でやる意味がないというのは多くの国民が共感する「常識」だ。その常識を語った川淵氏を引きずり下ろしたということは裏返せば「政府は無観客でもオリンピックを開催する強い決意を固めている」ということだろう。

国際オリンピック委員会IOC)は、収入の7割をテレビ放映権料が占めているから無観客開催であっても開催したい。国内でオリンピック利権を持つ人たちも立場は基本的に同じだ。一方、無観客でも世界から選手団を集めれば東京で新型コロナのクラスターが発生する可能性は少なくない。リスクは大きいのだ。ところが、政府は何が何でも7月に開催したいと考えているようだ。私は、そのことがコロナ対策の失敗にもつながっているのではないかと考えている。

(戦後76年)戦争体験者の証言 「肉弾三勇士」美談の裏の涙:朝日新聞

爆弾を抱えて敵の鉄条網に突っ込み命を落とした21歳の若者3人がいた。「肉弾三勇士」は自己犠牲の美談として伝えられ上官もたたえられた。しかし戦後見つかった上官の日記には部下を思う後悔の念がつづられていた。

突入を命じた上官も英雄としてもてはやされた。佐賀出身の伍長、内田徳次。地元の人々は「内田徳次の名を出せば、旅行先でも皆がよくしてくれた」などと、うかれていたという。

 この「地元の人々」のあっけらかんこそ軍国主義の本質だらう。