富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

輸打贏要


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香港メディアでビジュアル秀逸といへば蘋果日報の独壇場だつたのだが近年、大公報のビジュアルがじつに見事なのは確か。民主派元議員など53名の一斉検挙といふ大規模な白色テロに大公報も威勢よく格別のビジュアルで、それを報じてゐる。たゞ出来すぎで1面見開きを両面での実に4連のビジュアルで1枚の紙の両面なので、かのやうにデジタルで落とし込みでもしないかぎり、このビジュアルの秀逸さは眺めることができない。


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それにしてもとんでもない一斉検挙。それも昨年9月に予定されてゐた立法会選挙(結果、延期)に向けての7月の予備選が、その犯罪行為だといふ。

民主派は昨年7月、9月の立法会選挙の候補者を絞り込む予備選を実施。立法会の過半数を獲得し、予算案を否決して行政長官の辞任を迫ることを目指した。警察幹部は6日の会見で民主派のこうした動きは政府機能を停止させることを目的とするもので、国安法が定める国家政権転覆容疑にあたると説明した。(朝日新聞

議会で予算案を否決しうる多数当選を狙ふ、行政の長の辞任を迫ることが国家政権転覆容疑だとは。与野党政権交代が実現しうる自由社会ではこの容疑は使ふことができない。あくまで一党独裁であつてこその暴挙。香港市役所と警察が盲従する社会になつてしまつた。クリス=パッテンの 「香港の自治を毀すのは香港の内部にある者」といふ不安なる予言がまさに的中してしまつた。


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せめてお正月くらゐ、で「泉町大通りのぬりや」の鰻重をお昼にテイクアウトでいたゞく。蒲焼はタレが肝心だといふが鰻ぢたいがたつぷりのタレをつけて焼かれてゐるのでアタシは白飯にまでタレが滴るほどかかつてゐるのは好きぢゃない。鰻やでタレはできるだけ少なくと注文するのは気をつかふがテイクアウトだと白飯で蒲焼を堪能できるので、これは嬉しいかも。

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「ぬりや」のカードでウナギの絵は木村武山だが「強運」といふ書の「勇」は誰かしら。泉町大通りのぬりやの「強運」は水府の知る人にとっては「確かに」と察するところあり。
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首都圏に緊急事態宣言で午後6時からスガ記者会見。相変はらずの原稿棒読みで最後は「以上で私の挨拶は終わります」ときたもんだ。晋三すらスガよりはマシと思へる悲劇。短縮がタンショク、一床がイッショ……晋三より更に滑舌に難ありと思へるのだが、これは極度の緊張からか余計に口が開かないのではないかしら。政府の政府ならこのやうな状況の中、国会で与野党の協議は国会議員の4人以上の会食を認めるか否やでまとまらなかつたさう。

国会議員の会食「夜8時4人まで」想定で与野党ルールづくり協議に医師会長「全面自粛しては」:朝日新聞

いかりや長介ぢゃないが「ダメだ、こりゃ」である。

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夕餉に七艸粥風のおぢや。食後に水府の「鉢の木」のどら焼きをいたゞく。