富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

傅聰(1934〜2020)


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 (中共)台湾へ脱出試みた香港活動家ら実刑判決:朝日新聞 単なる密航なら入管法違反だが香港から台湾に密航し中共に拿捕された彼らの中には反送中の活動家で香港警察に対して破壊行為行つたとか爆弾製造だの危険物所持といつた犯罪行為がついてゐて、それを中共司法が何う裁くかが注目されたところ軽罪は懲役7ヶ月で「重要犯」でも刑期3年と深圳の裁判所は彼らが悔い改める機会を提供と「温情」を見せる。それにしても外国領事団はもとより親族も裁判に立ち会へず被告側弁護士の接見も認められずの中共裁判。党政府に厭はれたら最後、さうなる。

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大晦になり慌てゝ陋宅の片付け。香港から持ち帰つたまゝの額縁をそれなりの場所に掛けなければならない。壁を穿つたりせぬ強力な接着剤つきのフックを入手しておいたので昨夕それを各所につけて説明書曰く24時間置いてで額を掛けてみる。


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芸術品よりも実用の地図とかポスターが好き。「日譯最新北京詳圖」は戦前、祖父が日本軍占領下の北京に遊んだときのもの。大東京地図もその当時のもので祖父の遺品。倫敦地下鉄開業時のポスター。 

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巴水の〈大阪天王寺〉は昭和2年の作品で巴水の生前に銀座の渡邊版画で刷られたもので右下に先々代?の渡邊庄三郎の銘あり。これも祖父の遺品。四天王寺といへば来年で西大門(極楽門)着工60年(昭和37年竣工)と畏友J君に教へられる。松下幸之助寄贈の寺門で、それに三木啓次郎翁も関はつてゐる。祖父は三木さんに可愛がられ、しかも終戦後、水戸の旦那衆で巴水を招き水戸に遊んでもらつてゐたのですから、この巴水の天王寺も、これも何か縁がある。戦前の風景だらうが東都の宵で寿司の屋台に「都をどり」といふ行燈の版画があり、これは実家の玄関にずつと掛けてあつたもので幼い頃から見慣れたもの。これを巴水だと聞いてゐて額裏にも巴水の略年表があつたのでアタシも若い頃はさう思つてゐたが、これは紫浪の作品。新版画でもだいぶモダンなのは〈東京タワー〉で、これも紫浪でアタシが渡邊版画だつたかで入手した新品。東京タワーでも、その鉄塔の脚元にはまだ苫屋あり畑もあつたのだらう。本日都下の感染は1,300人超で全国で3,900人も過去最高。アジア各国が感染抑制するなか日本はさすが脱亜入欧で欧米なみに感染路線をいつてゐる。


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香港の版画多く扱ふ画商ではこんな可愛らしい版画も見つけた。 

伊福部昭の怪獣映画音楽は片山杜秀先生の番組でずいぶんと取り上げられ再評価されたが、それがみうらじゅんの扱ひなると、これがまた面白い。みうらじゅんの円谷愛も格別なもの。怪獣の着ぐるみにお人が入るといふ日本特有の特撮映画技術に「仏教国としての神仏融合があるわけです」と、さすが。

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年末にもうお雑煮?と映るが京は三条キク嘉の阿んぺい(しんじょ)でお吸ひ物。同じくキク嘉の鬼焼き蒲鉾。家人の煮た黒豆。もうお正月気分の大晦。お菓子は今年春からとても楽しませてもらつた木村屋本店の〈寒梅〉。NHK紅白歌合戦を始めから終ひまで通しで見る、といふかテレビつけっぱなし。香港でもチラ見はしてゐたが通しなんて何十年ぶりかしら。半分くらゐは曲どころか、その歌ひ手が誰かもわからない。

今年はやはりこの曲に尽きるだらう。「みんなで一つにならう」とかいはず「ひとり」が強調され、だが重なり合ふことはできるとする。それでも「絶対に重なりあふことができない」あの晋三までがこの曲に同調しようとして失笑をかつたっけ。

(社説)「1強」の終わり 危機に立ちすくむ強権政治:朝日新聞 日本政治の今年。

2020年は安倍氏にとって華々しいレガシー(遺産)に満ちた年になるはずだった。習近平・中国国家主席国賓に迎え、東京五輪パラリンピックを成功させ憲法改正に手をかける。その夢を砕いたのは持病の悪化だけではない。「1強」の看板が通じないコロナ禍に立ちすくみ国民の命と健康、経済と雇用を守る使命を果たせない政権の弱さが目に見えたからではなかったか。
菅首相に代わってもコロナ禍への対処は相変わらず鈍く場当たり的だった。要因に首相の「孤立」が指摘される。最長内閣を裏方として仕切った菅氏。その強面が表舞台に立った今「物言えば唇寒し」の空気を政官界に広げ批判も意見も届かない裸の王様になってはいないか。強権政治の弊害と限界が見て取れる。危機の時代に「間違っても貫く」強権政治は機能しない。「間違ったら正す」民主政治こそ力を発揮しうる。菅首相肝いりの「GoToトラベル」は首相が停止しないと語った3日後に一転年末年始の全国一斉停止を余儀なくされた。世論の批判に追い詰められた形だが「過ちては改むるに憚ることなかれ」と論語は教える。

次は日本学術会議会員に任命しなかった6人を改めて任命してはどうか。
「ぼくらの暮し」©花森安治を第一に、「批判的な意見」にこそ耳を。
国民主権、権力分立、議会中心主義、法治主義など民主政治の基本原則を再起動させる。コロナ禍を転換の機会としたい。菅内閣発足3カ月半。いまならまだカジは切れる。

晋三の悪夢は終はり「櫻を見る会」疑惑に醜態を晒してゐるが晋三の後にはスガといふ悪酔ひが続く。朝日新聞の年末社説ではスガに悔い改め再生の道ありと説くが所詮ダメだろ。 

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年明けカウントダウンさせぬやう警戒の渋谷

年末年始の2355-0655スペシャルを見て寝る。

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国家により両親は殺され、その国家を捨てるといふこと。香港で傳總の蕭邦を聴いたが、どこか翳りが印象的であつた。