富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

陽暦元旦

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国泰ラヘバ民モ安ラグ……ってか?ジミー黎智英ら某民が捕まることで社会安定。そして全民疫針(ワクチン投与)で感染撲滅。すべて党政府のおかげ。香港市役所の役職者など所詮誰でも良い党奴であらう。奴隷のやうな仕事だけはしたくないと思はないものかしら……しかも最悪なのは、それが隷従ではなく自分で自分らしく仕事をしてゐるなんて誇りをもつとひどいことになる。

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香港で終審法院が蘋果日報社主・黎智英氏保釈取り消し申請受理再び勾留:朝日新聞 高裁はジミーの保釈一旦認めたが香港司法は党政府に叱られて最終裁が保釈認めず再勾留。保釈中は海外メディアに反政府的なコメントも送らぬなど保釈条件に従へば何も問題ないはずだがジミーが保釈されてゐるといふ事実ぢたいが党政府にとつては癪に障るのであらう。党政府がじつはどれだけ「ケツの穴が小さい」=権力的に神経質で脆いものかといふ証左。

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この十数年の蘋果日報元旦1面トップが興味深い。蘋果日報的にはすべてが公儀なのだが党政府的にはすべてが一党独裁を崩すものなのだから始末せよ!となる。 

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本日陽暦年明け。朝餉に雑煮と初酒。京の山田松で屠蘇散買つてあつたのだが、これがどこに仕舞つたのか出てこない。我ながら物の整理は良いので一つ出て来ないのが無性に気になる。初酒は土佐の志ら菊。陋宅より初日の出なるもの眺め朝からラヂオで邦楽特選、雅楽の〈千穐楽〉と〈越殿楽〉、新春謡曲特選で金剛流の〈高砂〉を聞く。何十年ぶりに年賀状なるものを受け取り梨園の大名跡からもあり辱きかぎり。返礼の賀状認ため中央郵便局に散歩がてら出しにゆくと遅ればせで賀状の投函、年が葉書買ひ求める人々の賑はひ。妹と遭遇。その足で家人と三人で水戸東照宮に詣でる。

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早朝のNHKテレビの録画で宮内庁式部の舞楽で〈散手破〉と〈納曽利〉を眺め、続いて能で観世流の舞囃で〈老松〉と大倉流の狂言で〈末広〉を見る。

さて万歳の。小忌衣。
さす腕には。悪魔を払ひ。をさむる手には。寿福を抱き。
千秋楽は民を撫で。万歳楽には命を延ぶ。
相生の松風颯々の声ぞたのしむ。

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元旦の菓子は木村屋本店の〈丹頂〉

朝から酒の酔ひつゝ古典芸能三昧の一日。NHKテレビ〈にっぽんの芸能〉で雁治郎と茂山逸平のコラボで〈棒しぼり〉をわかぎゑふが演出の疫禍新作と高麗屋の若旦那で三番叟@神田明神を見る。前者は雁治郎Ⅳが歌舞伎以上に生き/\してゐて、この人は狂言の方がニンかとすら思ふ。高麗屋はコロナで最も活躍の場を見出した役者かもしれない。何なのだらう、あの自信。

▼今朝の新聞にあつた文藝春秋の広告。創業者・菊池寛。この「マスク」といふ短編も引用を読んで、この菊池寛の著述の意図がわからない上に余計に生理的違和感を覚ゆるばかり。

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