富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

国境を越へるデータと物象化

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香港での感染拡大で広東省に「北上」の市民急増と大公報。香港で外食制限や禁聚令などで窮屈な思ひするのなら広東省でのほうが気楽といふ意味。これも大陸に対するアレルギー解消で香港市民の意識「国内化」に一役かふわけか。武漢肺炎は明らかに香港の鎮静化と一国化に有効なのだ。

周氏の代理人弁護士は拘束された若者らの釈放を求めて警察本部数万人で包囲した昨年6月のデモについて周氏は自ら警察の包囲を求めるスローガンを叫んでおらず補助的な役割しか果たしていないとして保釈を求めた。これに対し裁判官は同罪で禁錮1年1カ月半の実刑判決を受けた元学生リーダーの黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏が警察本部の包囲を呼びかける際、周氏は拡声機を持って協力していたなどと指摘。さらに包囲した場所が警察本部で一般の場所ではないとし「十数時間とどまり門を塞いで警官を出られなくした」ことは重大だとした。

あの警察包囲は国安法がなくても逮捕されてゐたであらう案件。それが国安法で裁かれるのだから情状酌量などないし保釈もないのは当然といへば当然か。

共鳴する未来~国境を越えたデータ・ガバナンスを誰が担うか | 国際文化会館

鳥居坂の会館でKO大学・宮田裕章先生のネット講演あり拝聴。相方は会館の理事長である近藤“ジェームス”正晃氏。この方もKO出身でマッキンゼーから呟板役員だとかダボス会議と華々しいが見た目も同様。宮田先生といへば医学者だがビジュアル的にもかなり個性的でアタシにはよくわからない。

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コロナ禍を受けて変化する日常生活とそれに伴い加速するデジタル変革。新しい社会の実現にはデータの活用が不可欠と言えます。本講演会では「データとは何か」「データには何ができるのか」という根本的な問いからコロナ禍により突きつけられた文明への問いまでデータサイエンティストの宮田裕章氏に語っていただきます。また対談セッションでは科学的方法論を用いて「誰も取り残すことなく一人ひとりが豊かな生き方を実現することを支える」ことを目指す宮田氏に人と人、人と世界がデータを通じて共鳴することで生まれる、これからの世界への希望について理事長の近藤正晃ジェームスがお話を伺います。

ださうでした。何だか言葉巧みで電通のプレゼンを聞いてゐるやう。データガバナンスといふがもはやクラウドに在るデータベースが崇高化されエビデンスといふ実証があれば我々はそれに従ふべきいはゞ物象化なのではないか……なんてことを今晩陋宅にお立ちよりになつた〈茶の歴史〉S氏と茶談義しながら、この番組を眺めてゐて、そんな話をしてゐた。「国内需要だけで日本経済を支へるのは無理」なんて宮田先生のコメントを聞くとまるで昭和の始めの満蒙開拓のやう。水府に来られたS氏とは外で会ふこともできたが今晩この番組があるので陋宅までご足労いたゞいた次第。茶のことから政治まで物語り。茶は極めて政治的なのだ。「物象化」なんて概念をかなり久々に思ひ浮かべた。廣松渉。難解で、それも内容どころか「廣松漢語」が読めず難渋した若いころが懐かしい。その頃よく読んでゐたのは吉田秋生のマンガで別冊少女コミックで『カリフォルニア物語』に始まつて『吉祥天女』とか。『河よりも長くゆるやかに』はプチフラワーに連載だつた。吉田秋生はそして『バナナフィッシュ』を発表。『夜叉』までは読んでゐた。その吉田秋生の最近作『海街Diary』が好評だつたさう。

今更ながら、だが『海街diary』9巻「 行ってくる」を読む。最終巻だけ読むといふズル。ヒロインはすゞといふ中学生で広瀬すゞ主演で映画化されたといふのだから、さわやかな物語で、かつての吉田秋生とはずいぶんと変はつた。この巻末に番外編で「通り雨のあとに」といふ作品があり、それが新作『詩歌川百景』に繋がつてゐるのだといふ。

海街diary 9 行ってくる (flowers コミックス)