富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

ダイヤモンドプリンセス号


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医療従事者が企図してゐる明日からのストライキが何うなるか。林郑との面会要望を林郑は拒絶。武肺の防疫が話題なのだが林郑への要求には労働組合が五大訴求に対する回答も求めてゐる。反修例風暴は新たなステージに突入してゐる。 

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先月10日に深圳に数時間滞在した80歳の香港市民、先月17日に東京に飛び20日に横浜発のクルーズ船に乗船、鹿児島経由して25日に香港に到着し下船。30日に発熱で状況安定してゐたが一昨日、武肺感染を確認(本日の明報)。19日には日本滞在中に咳の症状あつたさう。このクルーズは陶傑先生も参加してゐたもので陶傑先生が武肺から遠い遠海で日本からのクルーズがいかに快適だつたことかと蘋果日報に綴つてゐたが(この日剩でも紹介)実はそのクルーズ船でも武肺があつたとは。

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香港の80歳が新型肺炎 クルーズ船で横浜から帰国 これを日本のメディアも香港電で報じてはゐるが明報はこのクルーズ船がダイヤモンドプリンセス号であることまで報じてゐるが日本ではそこまで記事で言及せず。何ゆゑに。本来であれば、そのクルーズ船を確証した上でダイヤモンドプリンセス号は香港からベトナムを回つたあと明後日(4日)に横浜に帰港することまで報じるべきと思ふのだが。

同船有七成半至八成搭客為日本人,兩成為其他國家旅客,亦有香港旅行團,另有數名操普通話的年輕人,其間沒留意到有乘客咳嗽。

しかもこのクルーズ船は4日に横浜帰還後、当日からまた次のクルーズへ。横浜・神戸発着!陽気に沖縄・台湾クルーズ|プリンセス・クルーズ とても「陽気に」とは言つてをれぬ疫禍なり。


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新型コロナウイルスへの対応について|重要なお知らせ|プリンセス・クルーズ

今回の武肺に対する対応に異常なものを感じざるを得ないところだが、それでも感染があるのは事実で日本の武肺に対する防疫の甘さ。近隣諸国のなかでベトナムとフィリピンが中国からの旅客扱ひ、殊にフライトについて運休決定など徹底した防疫体制を敷いてゐるのが興味深い。ベトナム中共と同じ共産党一党専制社会主義国であるが中共と越共には中越対立など痼りあり。同じくフィリピンも海洋占有問題で中共とは対立。かなり政治的な背景もありやなしや。 


TBS【サンデーモーニング】「新型コロナウイルスにどう向き合う?」鎌田實 さすが鎌田實先生の見てゐて喉の溜飲が下がるやうな解説。「自分の身体は自分で守れ」それが防疫につながる。手の接触感染のリスク。「心配しすぎるな」。武肺だけではなくインフルエンザ(の感染症も含む)ですでに8.2千人の死者あり(これは今年になつて?日本で?)。濃厚接触が危険。濃厚接触は2mで30分の場合。そして何よりも健康に関する、命についての読み書き教養の「リテラシーをあげること」病院に診察待ちで溢れ阿鼻叫喚はひどい。そして〈差別〉をしないこと。ハンセン病結核でその過去あり。


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外を無防備にふらふらすることも憚られるやうな世の中。どこに武肺のウイルスあるかはわからぬが蛇も怖い。食料品屋の店猫はまさに連日、命がけでネズミ退治をしてゐる。


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武肺の疫禍不安での物不足が深刻といはれる。市中からマスクに加へアルコール系の消毒関連品など消えてゐるのは事実。また自宅籠城に備へ食料品の買ひ込みもあり超級市場や食料品店で見事に米が品薄なのは、さすが華南は米食文化なのだと思ふが、それを除けばどの食料品も十分に棚に並んでゐる。けして食糧危機のやうな状況ではない。

香港危機の深層 「逃亡犯条例」改正問題と「一国二制度」のゆくえ

香港危機の深層 「逃亡犯条例」改正問題と「一国二制度」のゆくえ

 

昨晩、土曜日の夜だといふのに先月24日だかに日本のアマゾンに注文した荷物が届く。日本から中国へはマスクの大量送付が影響して郵便のEMSなど受付も制限するほどの混乱と配送遅延ださうだがアマゾンは順調に届いた。日本から空輸で送料は860円。土曜晩にこれ一つ届けた宅配業者にどれほどの利益があるのか。かなり薄利の厳しい業界だと思ふが、この恩恵を享受。注文したのは先月24日だつたことを思ふと、ついでにマスクも注文したら入手できてゐたかもしれないが已に遅し。だがアタシはマスクを積極的にしてゐないのも事実。この荷物で倉田先生ご夫妻編の『香港危機の深層『逃亡犯条例』改正問題と「一国二制度」のゆくえ』(東外大出版)も届く。とても充実した内容。昨年末ぎりぎりまでの状況把握で見事な内容。ことに倉田徹教授の第一章は英国領の時からの政治状況から今日の逃亡犯条例がどういふ「政治構造の危機」に至つたのかを昨年11月の区議会選結果まで詳細のデータまで含め現時点でできる最大の分析をされてゐる。敬服。60頁ほどのテキストを読むのに熟考しながら数時間を要した。

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