富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

洗邋遢


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武汉での肺炎管制が突然厳しくなつたが時すでに遅しの感あり。香港税関の水上での密輸取り締まりの文字通り「水際警戒」で税関当局の高速艇転覆で税関職員3名が溺死。蘋果日報はこの船艇が中国製であること強調。香港市役所の制服組部署のうち消防や出入境事務処、税関などに比べ警察ばかり「暴徒」による「暴動」鎮圧など危険リスク高いと厚遇求め抗議方から非難されてゐるが今回の事故で税関も同様に危険性高い業務執行であることがよくわかる。

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本日は農暦十二月廿八で年末も押し迫り新年迎へる大掃除の日で広東では今日を「洗邋遢」と呼ぶ。西湾河を歩いてゐたら香港トラム車庫から何だかマットブラック系のトラムが試運転で出てきたら#169の千禧電車ではないか。原型に比べフェイスがずいぶんと立体感あり。太古から歩いてきてゐたのだが運動がてらそのまゝ歩いて筲箕湾へ。筲箕湾はバスターミナルに面した古い商場に店子で「国際性商店」あり。つい国際性・商店と読んでしまふが国際・性商店である。筲箕湾といへば東大街を下り沿岸にある譚公廟の先、現在の香港海防博物館の手前に何ら表札も出てをらぬ重厚で警備厳重な窓もない高層建築あり。政府の現金や有価証券、重要書類等保管する機密施設なのか?と察したがGoogle Map(写真左下)にも表示なし。あとで香港街道地方指南を見たら「中行金庫」とあり中国银行のさうした施設だとわかる。ちなみにHSBCの同様の施設は九龍湾にあり(写真右下)。両行と並ぶ香港の発券銀行の渣打銀行の機密倉庫がどこなのかは知らず。香港政府のさうした施設は馬鞍山にあるとか聞いたこともあり。

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早晩に銅鑼湾に出ると改札口のところで駅員が天井から何か幕を下ろしたので何かと思へば金鐘站で荃湾方面への乗換へが乗客多く待ち時間が長くなつてゐるといふお知らせ。退勤ラッシュ時間は毎度のことで毎日これを上げ下げする必要があるのかと思ふが初めてこんなものを見た。

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知己で旧正月前の忘年会といふ趣向で銅鑼湾鵝頸橋にある場末の火鍋やで鍋を囲む。早めに出向いたO氏と先に啤酒を飲んでゐると隣席で一人鍋つゝいてゐたオヤジがささっと近づいてきて無言で紙切れを渡す。周囲に気づかれぬやうに。かういふ場合は先ず思ふのは「特務か」といふことで、その場合こちらも何らかの秘密任務の特務でなければならない。或いは人違いか……それは間抜けすぎる。で麻薬の売人か淫賣の唆しか?と思つたらメモに“HK SARS Now!”と秘密情報がっ。

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何うやら能天気さうな日本人が二人、大笑ひしながら啤酒飲んでゐるのできつと何も知らないで……と心配してくれたやう。 その武漢肺炎は习近平国家主席認定のあと擬似感染まで含めると北は焗流行から南は海南まで拡大。

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袁彌昌(香港大學政治與公共行政學系榮譽講師)「管治聯盟及其異化才是最深層次矛盾」(全文)。20日の拙欄で紹介してゐるが中联办で骆惠寜が着任に合はせ一国両制ver3.0のやうにいくつかの論説が発表されてゐるが、この袁先生の小論は香港の政経の政治装置について英国統治時代の官商関係から中共による建制派の組織、そして財界の取り込み、そこでの大きな矛盾についてじつに正確に分析がなされてゐる。

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  • 20世紀後半葉,港英政府在處理商界利益和社會福祉的衝突上,更展現出心靈手巧的手腕,特別是將自由放任政策轉化為「積極不干預」的意識形態武器和官商關係的論述,成為管理公眾資源時的一套類似倫理的標準,令「積極不干預」成為殖民統治底下,沒有民主的環境裏,市民可接受的政商關係和社會契約。儘管如此,我們必須了解官商聯盟、自由放任主義和不干預政策只不過是當時環境下的歷史方程式之一,並非金科玉律,更重要的是政府如何處理官商關係,為精英在權力架構中掏取私利時設限這一點。
  • 北京在部署回歸時為了安撫和拉攏資產階級,給予了他們莫大的政治權力,同時北京視香港為資本主義社會和經濟城市,實行商人治港,使得一國兩制的設計雖是旨在「維持現狀」,但實質上其根本設置已遭到嚴重竄改——相對於港英從來都在限制商界精英在政府的勢力和影響力,也不願拿管治能力作賭注,為這群精英提供無限量支持,回歸後卻將商界精英變成特區管治階級,令商界利益控制了政治架構,過去政府能夠凌駕於各種利益集團的能力已大大削弱,商業利益和公眾福祉之間的衝突變得愈加激烈——這無疑是一國兩制設計中的最大敗筆。
  • 在這管治聯盟形成的過程背後,另一個重要的事態發展為中聯辦逐步介入香港管治。2003年50萬人上街之後,北京已開始醞釀在香港建立第二支管治團隊(第一支是「香港特區建制隊伍」)的打算,後來時任中聯辦研究部長曹二寶在2008年撰文提出「建立第二支管治力量」,令中聯辦作為第二管治團隊的構想進一步浮面。中聯辦作為第二管治團隊對管治聯盟的異化起了非常重大的作用:由於建制派的選票與經費均操縱在中聯辦手上,而政府則需要建制派在立法會投票支持,令中聯辦這第二管治團隊具充分條件成為擁有管治聯盟的主導權、實質上「管治」香港的團體。
  • 2008年金融海嘯後,中央加強統戰商界,變相促成了地產霸權,同時令管治聯盟淪為服務少數既得利益者以及為自己牟利的利益集團和特權階級,逐漸成為公眾眼中的政商霸權,衍生出金權政治、寡頭政治、裙帶資本主義等種種流弊,令市民怨聲載道*1
  • 中央在2014年提出「全面管治權」,中聯辦與建制中的強硬派經常自行解讀與放大中央的路線與政策,來增強自己的立場,逼令政府、建制派和商界跟隨,同時也屢次藉與國家安全有關的事態,藉中央的表態來為自己背書,有間接操控與騎劫中央之嫌。
  • 2017年林鄭月娥上台,終於成功建構了一個集政府、商界、建制派、中聯辦,且有中央參與的管治聯盟。中聯辦前主任王志民更毫不掩飾地提出「中環西環行埋一齊幾好」,意欲號令天下,卻導致了全面管治權與高度自治權的對立統一的崩潰。建制派在立法會中取得直選及功能組別過半數後,政府和建制派亦開始蔑視民意,完全沒有掌握社會脈絡——這個「史上最強」的管治聯盟最後卻釀成回歸以來最大的政治風波,造成政府——社會關係崩潰,令社會陷入對政府和一國兩制的長期信心危機。 

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*1:當《經濟學人》在2014年宣布香港在其裙帶資本主義指數中全球排名第一的時候,其實已為香港的結構性官商勾結及政經不平等狀况,敲響了重大警號。