武汉市政府が本日午前10時から航空や鉄道など武汉と外部を結ぶ交通遮断と未明に発表（朝日）。これは事実上の疫埠（Epidemic）指定のやうなもの。かつてペストなど発生すると、その拡散を防ぐため、その港への船の立ち入りを制限したのが疫埠閉鎖。2003年のSARSで香港はWHOにより疫埠指定とデマ流れたが実際には飛行機も飛び続けてゐて移動制限なし。今回の武漢はそれすら絶ったとは……だが判断が遅すぎた。
本日は早朝から武汉脱出図る市民で高鉄站や空港には離脱民溢れ高速道路渋滞の由。航空レーダーで見ても武汉上空を飛ぶ飛行機はあつても武汉空港での離陸一切なし。だが今日も何本かは飛んだやう。今朝、香港から武汉行きのKA852といふフライトあつたが武汉到着すると空港は閉鎖で復路は取り消し。この場合、パイロットやアテンダントなど乗務員は何うなるのかしら。
陋宅の団地からミニバスに乗つたらさりげなく窓が開いてゐた。インフルエンザ流行やSARSのときに見られる光景。
瑞西ダボス会議で末席汚す林郑がBloombergとCNBCの取材に応じ反修例風暴に関して「過去7個月無人因為警員執法行動而身亡，認為警方執法很克制」と宣ふ。
何を暴論を……と呆れるばかりだが警察を信じてゐるのではなく無意識であれ自己の正当化には警察肯定といふ言論が働くのだらう。
武汉肺炎で「冠状病毒肺炎」といふ言葉に香港市役所高官並べ「官状病毒廃人」といふ揶揄あり（発音が同じ）。見事。
警務処長PK鄧が昨日、荃湾区議会に参加。前回の中西区での傲慢な態度多少反省してか柔軟な姿勢見せる。昨年６月からの一連の警察行為につき「並無說過警隊一件事都無做錯過」「有個別事件可能有做錯的地方」と、婉曲ながら行為に瑕疵、批判受けても致し方ない行為があつたと初めて認める。また一部の警官の行為については内部調査で不当と判断され「紀律覆檢」してゐるといふ。あまりの警察への反感にさすがにこのタカ派もこのまゝでは拙いと覚悟したのかもしれぬが謝罪や軟弱な回応は前線の巡査級警官の士気に関はりジレンマでもあり。
〈明報〉陳韜文「現實是公共論述的最終檢驗：從區選說起」が説くところは大陸で香港の区議選結果が思はぬ思考的展開を見せてゐるといふ。中联办の甘い分析で中共の官報は建制派大勢維持の予定稿のところ民主派圧勝で建制派壊滅的打撃に官方は言葉失ひ外相・王毅が「香港局势如何变化，改变不了香港是中国一部分的事实」と宣つてみせたが動顛は隠せず。さすがの中共も、それまで非愛国分子と罵り続けた非建制勢力（民主派）が区議選で452議席85%にあたる380余席獲得を報じざるを得ず。いくら論調でプロパガンダ的に事実を隠しても選挙結果といふ数字は正直で、これにより国内でそれまでの報道はやはり偏向してをり事実ではなく香港は確実に多数の世論と反政府勢力が力強いことを知的な大陸市民は理解したと。これはこれで良い事なのだが大陸ではそれほど言論報道統制と思想改造が進んでゐるといふ深刻さの反面であること。
明報の一面トップにKUONI（勝景遊）といふ地場団体旅行会社の広告掲載あり。旅行業にとつては反修例風暴に霜上加雪の武汉肺炎で新年快楽どころではないが「期待 不一様的風景」と微妙な表現で興味深い。
