農暦十二月十七日。SCMPのスドクは日曜除く週６日掲載で月曜日に他愛ない難度１から始まり土曜が難度５で最難関だつたが（６日で５つの難度を何う振り分けてゐるのか知らない）いつのまにか木曜だかが難度５になつて周末土曜日は難度３だかになつてゐた。周末は家族であまり難しくないレベルで楽しんでください、なのか……兎に角、平日はやるヒマもないし土曜が難度５じゃなければ物足りないのでSCMPのスドクから随分と遠ざかつてゐた。それが今日（土）のスドクは難度５である。きつと「物足りない」といふ意見でもあつたのか。さて久々に！と思つたが読んでゐたSCMP紙はFCCのラウンジの閲覧用。かうしたプライベートクラブや空港のラウンジなど新聞雑誌のクロスワードパズルとか「書き込み厳禁」なんて野暮はなく何方かといふとクロスワードパズルなんてやれるところまでやつて続きはまた誰かが……なんて感じ。スドクもこれにしたいところだがクロスワードパズルに比べてスドクは自分の穴埋めが間違つてゐるのに進めてしまい随分とアトになつて二進も三進も行かないことになりがちなので鉛筆と消ゴムでもあれば良いがペンで迂闊に始めるには勇気がゐる。途中でゲームオーバー！は誰に見られてゐるわけじゃないが恥ずかしいし難度５を始めてしまつた自分の沽券に関はる。慎重に。今日のこのスドクは１が一つもないのがちと六ッかしい程度できれいに完成……と我ながら当たり障りのない、どーでもいゝことで随筆みたいなことを綴つてしまつた。
新聞記者Ｍ氏家族旅行で今日１泊だけ香港立ち寄り。お嬢さんには奥様が同行して香港鼠楽園に遊びＭ氏と早晩にFCCで会ひ旧交温める。香檳酒（Philippe Prié Brut）を開け空きっ腹に酔つてから赤ワイン（Corte Lunga Chianti）で古老肉と四季豆の炒め物をつゝき最後は野菜の炒麺。
本日は台湾総統選挙。午後４時に早々投票締切で開票始まり夕方にFCCに行きラウンジでテレビニュース見ればすでに蔡英文総統の得票は100万超へ韓国瑜に30万票だかの差でリード。得票差が100万越へたあたりで韓国瑜が敗北宣言。蔡総統に当選祝賀の電話を入れ２期目となる「４年間、台湾の人々を幸せにしてほしい」と告げたと語り韓氏自身は高雄市政に戻り尽力を約束。このへんは台湾語で「好（ホウ）サッパリ！」で好感もてなくもないところだが、そもそも一昨年秋の統一地方選で民進党の強い南部で高雄市長職勝ち取り半年でロクな成果もないまゝ総統選立候補は虫が良すぎた話。10月中旬から総統選のため高雄市長を３ヶ月休職である。これまで歴代の民選総統は蔡英文を除き李登輝、阿扁と馬英九のいずれもが台北市長経験者だが３人とも任期全うが当然。2000年の総統選挙では阿扁が李登輝襲つたが阿扁は1994年に台北市長となり1998年に再選狙ひ国民党がホープの馬英九に敗北。その２年後に総統で結果的に「負けるが勝ち」のやうなものだつたが2000年の総統選に台北市長の馬が出馬しなかつたどころか馬は2006年まで２期市長務め満を侍して2008年に総統就任であつた。高雄は反韓基地となり韓の高雄での今回の得票は61万票で市長選の時に比べ28万票失ふ結果に（蔡英文の高雄での得票は109万票）。
74.9％といふ相変はらず高い投票率。香港の反修例風暴と林郑の貢献で蔡英文総統当選は確実だつたが817万票獲得し韓候補に265万票といふ大差とは。アタシの勝手な予想では1931万人の選挙人（有権者に非ず）で投票率を６割として蔡英文５：韓国瑜４：宋楚瑜１となれば韓国瑜に120万票差くらゐつけて蔡英文が662万票で当選くらゐのイメージでゐた。今回の選挙で初めて選挙人登録をした有権者（首投族）は118.6万人だつたさうで多くが若者。それが投票率を上げ蔡英文に票を上乗せしたことになる。台湾の選挙では居住地ではなく戸籍制度あり本籍地での投票が義務づけられてをり不在者投票や期日前投票はいずれも不可で選挙のために帰省が必要。しかも投票は夕方４時迄と恐ろしく早い。在外投票もできぬので海外から選挙のために帰国する人もゐる（もう少し滞在できれば春節といふこともあるが）。それで有権者の４人に３人が投票してゐるのだから。台北では投票のため地方に帰る若者で交通費の工面も難しい場合それを補填申し出る学者や支援者までゐたのだといふ。
立法院選挙でも苦戦といはれてゐた民進党は７議席減らしたものゝ国民党は３議席増に止まり民進党が過半数（56議席）を５議席上回り過半数を制する結果に。注意深く見れば不分区（比例代表制）は民進党と国民党が同じく13議席獲得は比例区得票率が33.98％と33.36％とほゞ拮抗で地方区での民進党健闘がこの大きな議席差を生んでゐる。
李登輝先生による総統民選から20余年。台湾でこゝまで政党政治と民主主義が結実しようとは。それに比べて香港政府の為体。香港民意研の最新の調査では林郑の評価は21.5点と前回調査より僅かに2p持ち直したさうだが林鄭が行政長官であることに回答者の８割が反対し支持率から不支持率を減じた支持率浄値は▲66となる。相変はらず律政司・郑若骅が最低評価だが抗議方教師への懲罰規程明らかにした教育局局長・楊潤雄が局長の中では不人気１位に躍り出たといふ。
香港立法会は10月に修復終はつた議事堂で再開されたが今だに正副主席（議長）すら決まらず。国歌条例も棚上げのまゝで民建联は立法会で立法化できぬのなら政府の直接公布といふ強硬手段とることにまで言及。その場合、すでに草案が立法会に提出されてゐるので逃亡犯条例と同じく政府が草案撤回するか７月の今期終了待ち自動的に失効させてから。いずれにせよいくら親中土共とはいへ民建聯の立法会議員らが立法会審議軽視とは言葉もなし。
