富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

逆権歳暮


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香港民意研の「政府は次の年何をすべきか」調査。昨年は41%もあつた住宅問題が今年8%まで急落して政治制度改革が6%から12p上昇で18%に。そして昨年はなかつた項目だが反修例関連では政府が最重要課題とする「止暴制乱」が8%なのに対して警察暴力が14%と政制改革の次がこれなのだ。林郑はバカだから、これを見ても抗議方に与する香港民意研の調査だから結果が偏つてゐるで済ますのだらう。

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林郑はFacebookで年末所感でビデオメッセージ。林鄭發片回顧2019指社會動盪市民失望憤怒「作為行政長官我責無旁貸」| 立場新聞 何かすれば失望と反感かふだけ……で今回はこの映像「暴徒」狼藉により破壊された市街を写し林郑「大家都好想儘快走出困局 」市民對此情況感到「痛心、焦慮、失望,甚至憤怒」と曰ひ「自己作為行政長官責無旁貸」と自らの責任に言及して見せるが問題を「承認制度不足」解決深層次矛盾としてシステムや社会の深層的な問題にこじつけるのだから結局は責任回避。「新一年帶來新希望,願社會早日復和」と結ぶがそもそも林郑の存在こそ元凶。ちなみにこの林郑の服装と映像の背景からして27日に香港芸術館訪れた折の撮影。結局この参観は呉冠中作品観賞より、この映像撮影が目的だつたわけ。

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そして本日は「林鄭鬼祟開場前去工展會」で銅鑼湾ヴィ公園の工展会場を朝の会場前に訪れ(写真左下)15分で開場時には離去。アンタは宮様か。公園の天后側入り口付近は警察がバリケード置き厳重警戒だつた由。市民との対話など抗議者多くそれが能はず、かうして厳重警戒のなかお仕着せの市中視察で何がわかるといふのか。地方自治体の首長で、こゝまでテロ対策されるのも世界で林鄭あるのみ。そして夕方には香港暴警本部訪れ年末も超過勤務(手当つき)に尽力する暴警らを慰問して弁当配つてみせる。本当にやることなすこと多くの市民の反感かふばかり。実は建制派からしても「……ったく」の孤立無援。

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本夕は陽暦晦日にてカウントダウンに暴徒狼藉ありと暴警は警戒強化。政府は何だか歳末大抽選でスマホ登記で2万人に総額HK$4mの賞品だとかと少しでも市民の怒気下降につまらないテを使ふ。旺角では抗議方と暴警の騒動あり。


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この香港暴警も何うやら一枚岩ではないらしく内部矛盾の問題を指摘した記事(信報)余錦賢「行動呼號前線懶理 中層警官冀高層施壓」 が興味深い。現場で下級暴警が警官認識のため用ゐることになつた〈行動呼號〉で複数の警官が同じコード使用してゐたといふ問題。

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警察は、この同じコード着用を単なる業務上のミスとして意図的なものではないと言ひ訳しつゝ各部署に「訓示」したと説明。これにつき現場の下級警官は「なにを言ってやがる」と意にも介さず「よくぞ言ってくれた」は現場で陣頭指揮の中層指揮官なのだといふ。警察組織など指令服従絶対のところ前線の防暴警官は不満たら/\で乱暴など勝手な振舞ひに指揮官は部下の行動戒めることもできず。上層は現場の問題をわかつてはゐても、それの改善など求めれば現場の反発が怖く何もできず現場庇ふのみ。さらに3万人の警察組織で現場に出る(警部補未満)巡査部長以下26.3千人「員佐級」が組織する員佐級協会がかなり力と立場を有して反修例に関して独自の見解発表するなど上層にとつては厄介な存在。タカ派の鄧炳強が11月に警察トップ就任後まず着手したのが員佐級警官の福利厚生改善と装備充実で下級のご機嫌とり。この組織問題の改善には独立調査委設置と組織再建が尤もなのだが、それを誰もできない。

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MTR East Railをそのまま深圳羅湖まで乗り入れにして「一地両検」する案を中共がご披露。香港側は未確認情報だとする。「一地両検」は高鉄の西九龍站で問題視されたが已に深圳湾口岸では既に香港側の出境手続きが深圳側で行われてゐて当時は批判もなし。だから問題ないと中国側。それにしても中国側の再開発予想図が凄い。現在ある羅湖口岸の建物と深圳火车站では断然後者のほうが新しいのだが後者が壊され巨大な地下站となり、そこにMTRも乗り入れるかたち。前時代的な羅湖口岸の建物だとかシャングリラホテル、それに国貿大厦が残つてゐ誠品るのは、やはり羅湖開発の歴史遺産だからか。その羅湖はかつて「深圳の玄関」だつたが中心部が福田に移り羅湖は今では上野駅のやう。かなり拡充する地下鉄も1号線だけと寂しいが、この計画では11号線と17号線(いずれも計画路線)が乗り入れ。11号線は郊外の深圳空港のアクセス改善のための路線で、将来的に「一国一制」完成の折にはMTR East Railとこれが連結するのかしら。17号線なんて最新の路線計画図(下図)にも載つていないが、おそらくこれもEast Railから高鉄・深圳北站への接続があるのだろう。

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