富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

香港大學


f:id:fookpaktsuen:20191218083737j:image

f:id:fookpaktsuen:20191218083740j:image

習近平も連日多忙。月曜に林郑引見のあと昨日は中共二艇目の空母〈山東〉服役に臨み今日から澳門訪問。 


f:id:fookpaktsuen:20191218083825j:image

f:id:fookpaktsuen:20191218083828j:image

 (写真左上)抗議で警官は受傷もないのに「遇襲」とされ襲警罪で捕まつた市民は裁判で証拠不足で不起訴。警察の「濫捕濫告」の激化は抜本的改革ないかぎり続くだらう。(蘋果日報

(写真右上)立法会泛民の区諾軒、范国威両君の議員資格剥奪につき最終裁が上訴拒絶(確定)。

泛民が早急なる補選求め建制が次期本選(2020年9月)まで待てば良い(2議席は空席で)とする。現在の勢力は70議席(内、今回の2議席含め社民連が失効中の1議席含め3議席空席となる)のうち泛民が25議席で今回2議席失うと23議席。拒否権に必要は3分の1の議席数(23.3)で今回それを下回ることになるが建制派も43議席で(晋三のやうに何でも好き勝手できる)絶対安定多数(46)に届いてをらぬのが唯一の救いか。

f:id:fookpaktsuen:20191218093448j:image

今回の経緯はちとややこしい。2016年の立法会選挙当選者のうち泛民6議員が議員資格剥奪され免職。
香港島】羅冠聡の後釜で周庭(アグネス・チャウ)補選立候補表明するが周庭も立候補資格無効とされ区諾軒が立候補して当選。
新界東】ダブル梁失格の補選で〈民主力量〉から范国威が補選立候補して当選。但し(周庭と同様に)立候補資格無効とされた劉頴匡は不服。

周庭と劉頴匡が立候補資格取消し不当として選挙無効訴へ(今年5月)。9月に高裁がそれぞれ立候補資格取消判断に不備ありとして選挙無効認め補選で区諾軒と范国威は「当選妥当に非ず」と司法判断。区と范は再審請求したが今回それの不受理。泛民にしてみれば選管の不当な立候補資格取消不当といふ司法判断は得たいが現有の議席は死守したいところ。プランBによる当選はつまり元々の当選者やプランAの周庭の当選と有権者の判断は同等といふ認識前提とすればさうなるが司法トップは法はさうした仮定はなく法廷に呈された事案の法的判断であるべき、と。

f:id:fookpaktsuen:20191218232825j:image

久々に香港大學へ。11月中旬の大学抗争あり閉鎖が続き現在は大学関係者のみ入構可。MTR站からの通路は地下から丘陵までの昇降機が働いてゐたが抗議方の大学籠城にあたり、この昇降機毀され甚大な被害で復旧してをらずMTR站から大学への通路は通行止め。

f:id:fookpaktsuen:20191218231953j:image

MTR站からは一旦、石塘咀*1の市街地に出て、そこから山側に歩き西寶城商場横の電梯をいろは坂のやうに昇ることになる。香港大学にはMTR站から本部に近いA出口と百周年校園へのC1出口があるが昇降機被害大きいA出口側の陸橋は今も閉鎖中。西寶城から上がるとC1出口で陸橋への電梯は可動中なのが救い。陸橋渡ると大学側設営の検問あり。


f:id:fookpaktsuen:20191218231941j:image

f:id:fookpaktsuen:20191218231948j:image

大学構内は人影もまばら。スローガンのスプレー書きや剥がれかけたポスターが「冬草や強者どもも……」である。

f:id:fookpaktsuen:20191218232016j:image

施設破壊も著しいやうでMTR站からの昇降機は「共鐵」と罵られるMTR施設であるし構内に上がる電梯も防暴警察突入防ぐためにバリケード化されてはゐるが構内は地面や壁にスローガン書かれてゐるものゝそれ以上の破壊はない。すでに開館中の図書館などきれいなものである。

f:id:fookpaktsuen:20191218232011j:image

学生会前の通路には雨傘など「武器」や支援物資が澤山。図書館外の掲示板に「七生報國 天皇陛下萬歳」とあり。この夏からの「光復香港 時代革命」で命を投げち死ぬ覚悟が天皇陛下バンザイになつたのかしら。


f:id:fookpaktsuen:20191218232040j:image

f:id:fookpaktsuen:20191218232045j:image

大学図書館横の星巴珈琲は構内施設としては大きな被害被つた方なのだらうが要塞化して細々と営業中。

f:id:fookpaktsuen:20191218232048j:image

いずれにせよ、である。香港が一国両制死守で対峙してゐる中共という一党独裁国家は中央政府の権力強大であるばかりでなく陋巷の何億といふ民草らはかのやうに毛泽东や习近平を土神崇拝してゐるのだ。それを相手に闘ふことがどれだけなことか。

f:id:fookpaktsuen:20191218232320j:image

地味な話だが封筒は裏返して再利用してゐる。昔は火鉢にかけたやくわんの湯気で封筒の糊も剥がせたものだが今の化学糊はさうもいかない。ペーパーナイフで一気に割いてゐる。さういへば「ハガロン」といふのがあつたと思ひ出す。今でもコクヨ 切手はがしといふやうなものがあるやうだ。

f:id:fookpaktsuen:20191218232333j:plain
f:id:fookpaktsuen:20191219075118j:plain

▼11月訪港旅客数は260万人で前年比56%減。10月は前年比44%減なのでそれより悪化は11月にあれだけ「市街戦」で催涙弾では致し方なし。警察が悪い。2003年5月のSARS疫禍以来最大の下げ幅ださyだが、あの時も疫禍は実際には収束に向かつてゐたがWHOによる後手の疫埠指定のインパクトゆゑ。12月の訪港者数はすでに改善に向かつてをり今年の11月末までの累計は5.2千万人で前年比で1割減ださうだから予想より大したことない。11月の260万人とて、これは2009年と同レベルで10年前はこんなものだつたのである。その後の大陸漢による香港侵攻がいかに大規模であつたかの証左。

▼港澳珠大橋人工島での中共検問について。香港市役所の保安局長(李家超)曰く、今回の事件の教訓は大橋は異なる政府(行政機関)の司法管轄区域を跨ぎ途中に安全検査站設けるかはその政府の決定によるもので香港市民は香港を離れる際に常識でそれを理解すべきと。誰の常識でも香港から澳門に直行で渡る橋で中共が途中に検問設へるとは思はないのだが。もはや常識の通じつ世界ではない。

f:id:fookpaktsuen:20191218233028j:image

*1:この「石塘咀」といふ地名も古くからのものだがMTRの香港大學站が出来たことで石塘咀も「香港大学」が通称となりつゝある