富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

秋後算帳

農暦六月初一。終日、雨。夕方からFacobookなど繋がりはするが画像がアップされなかつたり不具合あり。つい、これも何か香港の情勢不安定と関係あり?とまで思つてしまふが米国でCloudflareなるネット関係の会社のシステム不良ださう。それで世界中のSNSに影響があるといふのだから。台所も洗面所も水の出が悪い。これは香港の情勢とは関係ない。はっ!と気になりノズルの整流キャップを確かめる。

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1年くらゐ見ていなかつたか……。見れば見るほどおぞましいが(写真右は)小石やカルキだらうか(無味無臭だが)触感はチーズのやうな、そして硬い小さな欠片など。浄水場でこんな水を供するわけもなく水道管やタンクの老朽化、それに途中の水道管交換とかの時に、余計に出るやで。(写真左は)サビで真っ赤。日本でも実家で水道の出がおかしく見てみたら、やはぱり小さな石などあり。もし、このフィルターがなければ、こんな石とか呑み込んでゐるかと思ふとぞっとするが、香港で異論唱へることは、このフィルターで屑のやうに塞止められてしまうのか。

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人生は寿司のやう、次に何が来るかまったくわからない……って、そりゃ回転寿司だからだろ!と返したいが最近流行りの「お任せ」でもそうか。「それにしても」である、ネタが違ふくらゐで「寿司が出てくることには間違ひない」のだから(回転寿司でデザートとか突飛なものが回つてくることもあるが)それを「何が起きるかわからない人生」に見立てるのは一寸、無理がある。香港の情勢はとても「寿司で次に何が出てくるかわからない」なんて状況に非ず。71立法會乱入騒動で政府と警察が強気で本格的に調査開始。秋後算帳。

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中共はこれまで香港での情勢不安定につき国内での報道避けてきたが黒蟻社中の騒動あつたことで堂々と一面に「坚决支持特区政府对严重违法行为追究到底」の論評掲載。

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「暴力はいけない、法治が大切」は正論。ただ「一些极端激进分子却借口反对特区政府有关条例修订,制造了暴力冲击立法会大楼」の、その「特区政府に関係のある条例改修」が何なのか、の説明なし。ただ大方の賢明な読者は「差し詰め「香港市民にとって不利」な中央政府絡みの条例の改正だろう」といふことは容易に想像がつくはず。

香港に関心を持つ、日本の皆様へ — 昨日の占拠運動について | 周庭 | 立場新聞

周庭さん、頑張つてゐる。たゞ彼女の主張がそのまま正論であるとは私は個人的に賛同はできぬところ。これまでの30年間、市民の声は全く香港政府や立法會で反映されなかつたといふのは言ひ過ぎ。これまでの泛民主派のやり方を否定しても何うしようもない。当時、最悪は「返還があればそのうち中国の普通の都市になつてしまふだらう」といふ悲観論もある中で言論や結社の自由も何にか持ち堪へてゐるのだから。それがあるから周庭ら若い世代もかうして言ひたいことが言へるといふもの。親中派土共連中にもそれなりの言ひ分があり中共とて中共を「悪の権化」とだけ見てはダメではないのかしら。

2003年の50万人デモデモでは世論を嗤ひ逆に吊るし上げくらつた曾鈺成(民建聯)が今日日の政治不安につき行政長官選出方法見直しも含め政治改革が必要と言及。まさか彼の口からマジかよ?といふ感ありだが「ポスト林鄭」で行政長官候補に名前が上がつており本人は否定しているが一寸食指も蠢き始めたか?

晤部份傳媒高層 董建華稱任內推通識科致青年「出問題」 籲徹查誰指使衝擊立會 | 立場報道 | 立場新聞

同じく2003年の50万人デモが決定打になり05年に「脚痛」を理由に行政長官辞任の董建華までが今回の政治不安につき強気で言ひたい放題。政治改革については2014年の「0831」全人代常委決定など前向きに進んでゐることに多くの市民は期待寄せてをり、それを覆すやうな政治改革は現実的ではない、と。若者の突飛な抗議活動での行動も林鄭には特赦の検討もありでは?と宣つてみせた上で自分が行政長官の時に推進した中学での「通識教育」(社会常識等「政治的道徳」教科)が失敗し、かのやうに若者に社会的問題を生じさせてしまつた、と言及。もつと通識教育が徹底してゐれば、といふ実に家父長的発想は相変はらず。

記事タイトル|ニュース詳細|報道ステーション|テレビ朝日

昨晩のTBSテレビの報道ステーションで香港からの報道。ジョシュア=ウォン(黄之峰)が取材に応じて理路騒然とした英語でのコメントに、彼の英才ぶりを改めて認識。愛国教育反対の運動に16歳で関はり雨傘を経て刑務所にも入り、その度に一皮剥け社会運動家として大きくなつてゐる。彼には運動を動かすだけの器量が十分にあると思ふ。それにしても報道のあとのコメントで今回の騒動に関して黒幕陰謀説となり暴力化に中共関与の可能性もありかといふ憶測発言には呆れて言葉も出ず。今回の黒蟻社中の「高度な抗議」の目的地は
①升旗の湾仔会展
②香港政府総部(特首弁公室含む)
③立法會
④紅磡の香港コロシアム
この4ヶ所があつたそう。①は危険リスク高い、④は晩の祝賀イベントで一般市民が多い、さうして抗議者のなかでスマホ使ひ②か③の選択になり、結果③に。やはり「デモ区」があつて場所にも明るい立法會になる。で現場では警察が「あっさり退去してくれて」の闖入となつた次第……予め仕組むには「たられば」条件多すぎる。中共が深圳から慎重に香港の状況を睨んでゐたのは事実だらうが。

【音声配信】香港の議会にデモ隊が突入するも警察が強制排除。現地の状況は?▼2019年7月2日(火)放送分(TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」)

この番組で香港から毎日新聞の福岡静哉特派員の現地リポート(電話)は秀逸。抗議社中の立法會突入で一緒に立法會に入り催涙弾で脱出したそうだが、とても冷静で正確なリポート。報道はかうあるべき。