富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

農暦五月十五日

親政府系の星島日報がもはや行政長官リンテイゲツガに三行半つきつけたかのやうに。共産紙・大公報は挙つて行政長官指示を謳ふが。それにしても200万人デモに道路渋滞の写真で「市民生活に痛手」は弱い。

f:id:fookpaktsuen:20190617095913j:plain
f:id:fookpaktsuen:20190617101837j:plain

金鐘で香港“市役所”周辺、怒れる若者たちによる道路占拠は夜を徹して継続。香港警察もこれまでなら機動隊導入で武力鎮圧も辞せず、だつたが今回は昨日のデモ対応から市民の反感かはぬやうにいたって穏便な対応続けており今朝も幹線のHarcourt Rdなどには拳銃は携へてゐるので丸腰とはいへぬが防御服など着ず普通の制服の警官が若者に対峙するのみ。そこに朝七時、警察の「談判専家」で現れた私服の女性警官。まるでデモ参加者のやうな雰囲気。

f:id:fookpaktsuen:20190617132327j:plain

道路占拠する若者たちと談判となるが警察は市民の抗議は理解しつゝ安全第一で道路占拠は不法であり、これがどれだけ市民生活に支障与へるかを理解の上、とにかく道路占拠中止のみ丁寧に根強く請ふ姿勢は立派。民主党の立法会議員も若者たち説得で午前十時には道路占拠解消。

f:id:fookpaktsuen:20190617132922j:plain

路上のゴミや抗議物品を清掃する占拠の若者たちも立派。


f:id:fookpaktsuen:20190617171250j:image

f:id:fookpaktsuen:20190617171346j:image

香港“市役所”の公共の「デモ区」に集結の若者たち。


f:id:fookpaktsuen:20190617202111j:image

f:id:fookpaktsuen:20190617202114j:image

f:id:fookpaktsuen:20190617172046j:image

f:id:fookpaktsuen:20190617171754j:image

数千人がさっと去つたは行政長官官邸への対話、辞任求めるデモのため。

f:id:fookpaktsuen:20190617172027j:plain

雨のなか行政長官に逃亡犯条例撤回、市民との対話、謝罪を求める。

f:id:fookpaktsuen:20190619092837j:plain

だが行政長官リンテイゲツガは本日も公邸に籠り公衆の面前に姿見せず。この特首弁前での抗議の様子を添馬公園の高台から眺めてみる。

f:id:fookpaktsuen:20190619092851j:plain

(実はあとになつて気がついたのだが)このとき通り雨のなか添馬公園の高所から厳重警備の特首弁を見下ろしていると、隣に立つてゐる、手持ちぶさたでタバコ吸つてゐるお兄さんたち二人、一人は抗議現場にしてはオシャレで、もう一人もアンディ=ウォーホールのやうな痩せぎすの金髪、何処かで見たことある……と思つたら民陣の岑子杰と陳皓桓。

f:id:fookpaktsuen:20190619093638p:plain
100万人単位の市民デモを統率する彼ら、今日も抗議の真ん中にゐさうなところ、まさかこんなところにゐるとは思ひもせず。抗議は膠着状態で、お互ひヒマだつたので話を聞けばよかつた。今日、行政長官・林鄭何は大学の学長や宗教関係者との面談だつたさうで夜には司長、局長クラスを集めての会合。本来であれば毎週月曜午前は行政会の定例会開かれるが今日はそれもできず、での代替の夜の会合か。

今日は久々にRicoh GRの出動。


f:id:fookpaktsuen:20190617201724j:image

f:id:fookpaktsuen:20190617201732j:image

f:id:fookpaktsuen:20190617201728j:image

f:id:fookpaktsuen:20190617201718j:image

f:id:fookpaktsuen:20190617201713j:image

f:id:fookpaktsuen:20190617202300j:image
素人が撮ってもデジタルとはいへ写真の圧力が違ふ。久々に湾仔のバーMで口開け。


f:id:fookpaktsuen:20190617203108j:image

f:id:fookpaktsuen:20190617203104j:image

午後九時半といふ晩遅くに香港警察トップが記者会見。12日の抗議活動につき「全体としての活動を〈暴動〉としたのではなく」「一部、暴動罪適用に該当する者がいた」といふことだつた、と釈明。よって警察も「事態鎮圧のため必要最小限の武力行動を採らざるを得なかった」とまで言へれば幸ひなのだが実態は、警察が逮捕し起訴するであらうたつた5人!が「暴徒」なのだとしたら、なぜ、その逮捕のために(画像が流れてゐる通り)丸腰の抗議活動参加者をボコボコに殴る、蹴る、胡椒スプレーから催涙弾まで撃ち放題だつたか。今更何ら言ひ訳もできず、今日の抗議活動でも行政長官弁公室を警備する警官に、昨晩の警察トップの弁明など何ら効果もなく、抗議者からの罵声は止みもせぬのであつた。しかし少なくとも事態沈静化に向け言ひ訳であれ記者会見で警察の立場の見直しをするだけ、しないよりマシ。

▼逃亡犯条例の陰で目立たぬ地味なニュースだが13日以来、湾仔の出べそ広場で朝の国旗掲揚が「修繕のため」ずっと中断。やはり時節柄、無作法なデモ隊に狙はれたくないか。

▼香港の逃犯条例で台湾は中国の一国両制による台湾統一への反発で弱勢だつた蔡英文総統への支持が高まり、ネットで記事無料配信してゐた蘋果日報の有償化も大義名分がついた形に。