富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2018-08-17

農暦七月初七。午前中大雨落雷。午後雨上がりに官邸の庭で澤山のとんぼ群れて飛ぶ。散髪して帰宅。晩は半田麺啜り岡山のシャインマスカット頬張り京都亀屋陸奥の松風を茶請けにいたゞく。シャインマスカットは絶品といふか品質改良の結果もはや葡萄といふか一つの違ふ世界の果物。松風も一歩間違へれば出来損なひの焼き菓子なのだが、それが絶品の高級菓子となるのは、さすが京都。
わすれては波の音かとおもふなり枕に近き庭の松風
▼TBSで11日に放送の「世界ふしぎ発見」で「香港・マカオ二都物語」見る。ネットテレビで見逃しは1週間なので今日見ないと。珠海河口にかゝつた橋で香港、マカオが一つに結ばれるといふタイミングに託つけての二都物語。現代の奇祭で香港は長洲の饅頭祭り、マカオは酔龍祭りといふものが取上げられるがアタシはいずれも見たことがない。香港人の長寿で薬用スープが取上げられるのはわかるが海洋公園のパンダの長寿まで関連づけはさすがテレビ。ピークから眺める香港島南岸を楊さちこさんが「裏香港」と連発。初めて聞いたが逆にビクトリアハーバー側は「表香港」なのか。人口密度高く住宅事情も悪い香港で最近注目される建築!としてロバート=ローの下水管使つた集合住宅建築が(あれは一つのアイデア出しでしかないのだが)まるで普及するかのやうに紹介される。私ならこの二都の変遷を葡萄牙、英国の産業史的時代背景、船舶大型化と珠江河口の潮流がもたらす良港条件の必然性等でまとめてみるが。
▼雑誌『Pen』の特集「いま最も知りたい国「中国」最新案内」。イノベーション大国としての中国、洗練されたライフスタイルの提案が深圳と杭州をメインに紹介される。そこは緑化された快適な都市空間でゆとりある暮らし。何の不自由もない。だが実際には〈政治〉が中共によつて遮断され貧富格差も著しいのだが、そのへんは「生活の安定で現政権を支持する声が高まっている」「トランプのアメリカ、ブレグジッド決めたイギリスのように先進国の政治が混乱している現状を見ると民主主義は魅力的な選択肢に見えない」とあっさりと決めつけられる。だが、それも事実。社会は、日本や香港もまさにその潮流にあるが、シンガポール化してゆく。

キャセイパシフィック航空がエコノミー座席を3-3-3配列から3-4-3配列にして席幅で1.5吋縮めることが不評だが陶傑先生曰く野蛮な人々が気軽に飛行機に乗る時代になり航空会社が民度に合はせ利潤を考えるのは当然と皮肉る。日本やスイスの航空会社は座席幅に余裕があるのは、その民度の高さゆゑといふが。