富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2018-04-24

農暦三月初九。朝、ミニバスの車窓からぼんやり外を眺めてゐたら路上に並べられた蒸留水の1ガロンボトルで装填された蒸留水の量は一定ではない。
①ボトルの形状の精度が低く同じ重さの水を入れても水面の高さが変はつてしまふ。
②水を注入する作業の精度が低い。たとへば規定の重さを超えるとブザーが鳴つて水を止める、みたいな方式のためかうなる。
そのいづれか。午前中かなりの雨が降る。お昼ごはん食べながら時刻表見てると誰彼に「旅行?」と聞かれる。時刻表見るのが趣味とはフツーの人は思はない。全国の特急地図眺めると東北は新幹線に席捲されて在来線の特急は新潟から秋田への「いなほ」と秋田〜青森の「つがる」だけ(常磐線のいわき行き特急ひたちを除く)。新庄M氏によれば奥羽線も新庄以北(新庄〜秋田)は優等列車がない。しかも車両はロングシート701系電車。ロングシートでは堂々と飲食はしづらい。旅情感ゼロ。せめて1日1〜2往復でも特急列車があれば。陸羽線は西線に快速、東線にはリゾート列車が走つてをりディーゼルカーは横向きのクロスシートなので701系電車よりもよほど旅人に優しい、と。時刻表には全国の電化、非電化の路線図もある。これなんて余程の鉄道ファン向け。JRの非電化区間で複線なんてあるの?と思つたら北海道の函館本線室蘭本線の一部がそれ。どういう事情かと思へば「北海道新幹線開業に合わせて一部区間が電化される予定のため架線柱が立っていますが、まだ架線は張られていません」と(こちら)。なほどど。昏刻に散髪して帰宅。

▼今月16日(月)の産経新聞の「福田財務次官更迭へ」のスクープ記事。この時はこれは否定され実際の辞任は18日になつたが、この「産経の」スクープは築地H君曰く少なくとも前晩の時点では「政府内から産経にこの情報を伝へた者がゐた」ことになるが、これについて今日発売の週刊ポストが面白いことを書いてゐる。晋三訪米中の麻生太郎による福田解任について。この決断で麻生は大臣辞任の腹を決めた=政権崩壊の始まりといふ。産経新聞のスクープは晋三と菅が福田更迭決め、この時点で実現してゐれば政権の致命傷にならず。だが辞任認めなかつたのは麻生。麻生がなぜ次官を庇ひ晋三も更迭方針撤回したのか。森友で財務相として引責辞任決めた麻生だが晋三から政権支へるやう懇願され泥を被り財務相続けてゐるが改竄問題の省内調査結果出る前に福田次官切れば責任とる次官不在で引責は大臣に。麻生辞任では晋三政権崩壊で、つまり麻生にとつて「福田を守ることが総理を守ること」。それに対して福田更迭派の菅は「任命責任者である財務大臣がきちんと対応していくべき」と責任は麻生に押しつけ既に晋三の政権は内部崩壊、と。
民進と希望の新党案で「国民党」といふ名が挙がつてゐるといふ(こちら)。民進党が国民党にといふのは台湾にとつてはとんでもないパラドクス。中身のない政党なのだから案の一つだつた「新党ゼロ」が最適ぢゃないか。
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跡を継いだ黒田東彦総裁の考えはまったく違った。就任早々に異次元緩和を導入すると会見で自信満々に語った。「2年程度で2%インフレ目標を達成できる」
5年間で黒田総裁の自信は打ち砕かれたはずだ。掲げた目標期限は6回も延期。5年かけて達成できないというのは目標がまちがっていたか手法を誤ったかどちらかだろう。現時点では通算7年での達成を見込むが、それがかなったとしても、もはや金融政策の成果かどうか怪しい。
中央銀行にとって最も大事なのは「信認」である。それがなければ通貨も金融政策も軽んじられてしまう。誠実に政策を説明し批判に謙虚に耳を傾け政府に過ちがあれば正すよう説得を試みる。長い目でそういう真摯さが信認を得るために大切なことだ。
黒田日銀の5年間は残念ながらそうした真摯さに欠けていた。異次元緩和の後始末には最終的に数十兆円の国民負担が出る可能性があるのに総裁は定例会見で出口戦略についての詳しい説明を「時期尚早」と拒み続けてきた。
どんな質問が出ても想定問答の枠を飛び越してまで答えない。終了予定時間がきたらさっさと会見を打ち切りたい気持ちが透けて見える。140席ほどある総裁会見の記者席は以前は大半が埋まっていた。昨年来出席者は徐々に減り最近は半分ほどが空席になっている。蓮池さんに話を聞いた。「北朝鮮をめぐっては中韓米各国が相次いで首脳会談に臨もうという情勢の中『圧力』ばかり言ってきた日本は相当水をあけられている。拉致問題は日朝の問題であり本来は安倍首相がそれこそ司令塔となって日本が北朝鮮と直接交渉を進めるべき話。ところが首相は自分で日朝会談をやろうとせずトランプさんに『米朝首脳会談拉致問題を取り上げて』とお願いに行っている。言葉と行動がかけ離れている」