富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

銅羅湾の「一番」

農暦十一月十四日。銅羅湾の「一番」来年一月で閉店。80年代末に同じ銅羅湾で「天龍」で始まり1990年に蘭芳道の路面で「炉端焼き一番」として開業。今では銅羅湾になんちゃって日式まで入れると200軒あるといふ日本食だが当時は金田中を筆頭に未だ数えるほど。そのなかで銅羅湾で気楽に入れる一番はかなり人気で一晩でテーブルが三回転はしてゐたのでは。2011年だかに今の飲食店ビルに移転。蝶ネクタイがお洒落だつた日本人経営者のOさんも帰国。

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昔からの地場の従業員3人が店を継承したが日本食は何か特色ばかり注目され昔ながらの普通さが売りだつた一番は家賃高騰にはついていけず。先月末にふらりと来たときに一月閉店と知らされ、その時の勢ひで十二月の今日を「貸切りで」と約束してしまひ48席ほどの店で、さてどうしようかと少し後悔もしたが声かけをしてみると昔は常連だつたといふ人たちが何人も誘つてくれて結果62名も集まる大盛況。

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普段余り人付き合ひも控へ目で自分が誘はれてもたくさん人の集まる場には顔を出さぬタチなので、こんな会の主催はだう考へても一世一代。これも、この店に30年近く前から、とくに90年代中葉はどれだけ通つたか。それだけお世話になつたことへの、せめてものお返し。陽暦正月の雑煮やおせち料理のお振る舞ひが懐かしい。晩六時から開き十一時前には最後の飲みグループもお終ひ。帰宅。

九龍西の開発区にできるChinese Opera専用のXiqu Centreが施設後悔。“Xiqu”は外国人には意味不明だが「戯曲」の意。小劇場はTea House Theatreで昔の芝居小屋のやうに茶を一服しながら、の嗜好はわかるが施設のプレス公開で舞台に「日の丸」と茶席も何だかウヰスキーとおつまみセットのやうな「まるで日本」は如何なものか。

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