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農暦十月十四日。夕方銅羅湾で散髪済ませたところに近くにゐた家人より携帯に連絡あり鰂魚涌のTaikoo PlaceのArtistreeで開催されてゐる“The World of Tintin”参観。フランスの戦後の可愛らしいキャラクターだが興味深いのは周辺に支那人や印度人等少なからずゐることで当然、巴里の多国籍文化と北アフリカからの（星の王子様と同様）植民地的視野の影響あるが東洋趣味である点はサイード的にはオリエンタリズムで、そのへんの視点からこの“The World of Tintin”を見ると大変興味深いところ。終はつてTaikoo Placeに近いCamper's（坐忘）で久しぶりに野菜たっぷりカレーライス頬張る。ハーゲンダッツのギフト券あつたのでCityplazaの同店でアイスクリーム注文したら「席には座らないてください」と手厳しい。帰宅して久々に風呂に湯をためて浸かる。
▼英国女王よりMBE受勲のRusy Motaghoy Shroff氏逝去。齢百一の長寿。Shroffといふ姓の通り印度以東の英領で今では駐車場の料金所がShroff's Officeと呼ばれるが英領植民地での銀行や両替商をかう呼ぶものでShroff家が広く、その任に当たつてゐたことで、この俗称が一般的に普及した、かなり面白い言葉。シュロフ家は印度から東南アジアに拡散し香港にも末裔少なからず、このRusy氏もその末裔の筆頭株。