富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

曼哈頓、マンハッタン、Manhattan!

fookpaktsuen2017-11-02

農暦九月十四日。香港とはちょうど12時間の時差で夜遅く寝たのだから朝6時くらゐに寤めるはずが起きたら午前8時。さすがに体感は36時間だつた昨日は疲れたか。部屋で昨日調達の食材で朝食。紅線で上洛しTimes SqでLine 7に乗り換へ34丁目もハドソン川見下ろすJacob K. Javits Convention Centerに出向き日曜日のマラソンのゼッケン等受け取り。何とも爽やかな雰囲気。New Balanceがスポンサーで大会記念シャツなどUS$55〜で何とも高値。これで今日のミッション済んだので快晴で何ともよい気候のなかThe High Lineを歩きチェルシーに行き24丁目西のギャラリーは飛ばし22丁目西にあるLehmann Maupinといふ画廊でGilbert & Georgeの“The Beared Pictures”といふ個展(12月22日まで)見る。G&Gの二人の顔を素材に髭をいろいろコラージュしたものだが正直言つて1枚見ればあとは食傷気味。チェルシーの閑静なエリア漫ろ歩き7番街のつまらないピザ屋で軽く昼食。6番街の23丁目站から橙線のメトロで5番街53丁目へ。MOMAは今回の紐育で訪れやうかと思つたが結局門前で人混みに負け通り向かひのミュージアムショップ冷やかしてお終ひ。5番街に出て家人がせめてティファニーくらゐでも見ようかしら、と入つてみる。隣のトランプタワーの警備体制は本人不在でも厳重。5番街上りセントラルパーク動物園。結局どこに行つても必ず訪れるのは動物園のみ。小ぢんまりとした動物園で子ども動物園のヤギや子豚の向かうが5番街で歩行者や、その向かふに高級アパートメントが並ぶ光景は不思議。5番街下る路線バスで45丁目東のマディソン通りにあるブルックス=ブラザースの旗艦店。ボウタイを選ぶが新宿伊勢丹と大して変はらない同ブランドの品揃へ。せめて土産にと1本購入。グランドセントラルステーション。以前にもまして随分とキレイになつて驚くばかり。高級感たつぷり。緑線のメトロで下りブロンクスのBorough Hallまで戻り食材購入してホテルに戻る。少し休憩して晩の外出は紅線のメトロでLine 1に乗り換へリンカーンセンターへ。メトロポリタンオペラとDavid Geffen Hallに華やかに照明が輝く、まさに祝祭空間。後者でニューヨークフィルの演奏会で来年が生誕百年のレナード=バーンスタインのフィルハーモニックといふタイトルで指揮はアラン=ギルバート、バーンスタインのジャズ風のプレリュードに始まりバーンスタインが得意としたガーシュインRhapsody in Blueはジャズ出身の小曽根真がピアノで2014年にギルバートの指揮でアジアツアーに抜擢され同曲やつてゐたさうだが本拠地の紐育では初めて?なのかしら演奏はそりゃガーシュインも喜びさうな好演でスタンディングオベーションに小曽根さんもかなり興奮気味。後半はバーンスタイン交響曲第2番『不安の時代』でアタシはこれを聴くのは初めて。第1部の途中でガーシュイン意識したやうな軽妙なフレーズも入るが後半はまさに赤狩りでもあつたらバーンスタインは「ソ連に行け」とでも言はれさうなほど社会主義リアリズムでショスタコービッチのやう。紐育フィルこよなく愛す市民で会場溢れるのは良いが高齢者かなり多く年寄りが老後の至福に名演奏愉しむのも良いがもう少し若い世代が良い音楽楽しまないと……。老人会ゆゑに咳が出て痰が生じゴホゴホ、ゲホゲホで冷房に嚔(くさめ)と雑音多し。終はつて帰宅のところ折角、曼哈頓にゐるのだから一度くらゐ「いはゆるマンハッタン」な夜景も見るべきか、とリンカーンセンターからブロードヱイを南下。タイムズスクエアのあたりは四半世紀前よりさらにご乱痴気ぶり甚し。すつかり今回の生活路線となつた紅色メトロでブルックリンの宿に帰還すると既に三更なり。