富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

マカオ

fookpaktsuen2017-08-19

農暦閏六月廿八日。朝九時のジェットフォイルで家人とマカオへ。ホテルのシャトルバスでソフィテルに下榻。クラブフロアのレセプションでスタッフ曰く套間にアップグレードします、と。ここ前2回はPrestige Suiteだつたが、さすがに3回連続はなしか、と諦める。今回は澳門大熊猫館で生まれて1年すぎ一般公開の始まつたパンダの双子、大寶と小寶を愛でにいくこと。午後2時から4時まで双子はお披露目で混雑で入れぬと困るので入場券をホテルの近くだと下環街市にある市政事務所の窓口で販売とあつたので暑いなか歩いて下環まで往つたが土曜日で午前中もオフィス休み。福隆新街にある葡萄牙人経営の小さな食堂があるといふ家人の話で昼に合はせ出向いたが戸が閉まつてゐる。近くの祥記麺食專家で麺をすゝりホテルに一旦戻りクラブラウンジで寛ぎ時間を合はせ路環(コロアネ)へ。大熊猫館は「え、これが土曜午後?、双子のパンダの赤ちゃんお披露目のあと?」と思ふほど閑散。中国から大挙して訪澳の旅行客は今更パンダではないか。本来は1時間毎に入場制限する約束だが、空いてゐてゆるゆる。大熊猫館を出ると通りの向かふの高級マンション群のなかに真っ赤な奇抜なビルがあり、一瞬「ここにもザハか?」と驚くが、これは "Louis XIII Casino & Resorts“で香港のヘンな資産家が鳴り物入りで建造してゐたが資金難で開業に辿りつけずの停滞物件なり。 バスでホテルに戻り客室に通されると8階のPrestige Suiteで大きなジャグジーつき。部屋で旅荷解き黄昏時にラウンジに上がると当日の飛び込み客2組がチェックイン中でスタッフも忙しさう。「客室は爆満でクラブフロアならまだ部屋がご用意できます」で上げられたらしく、それの玉突きでプラチナステータスの私らも格上げか。晩にA Baiaといふ、新填区にあるポルトガル料理屋へ。バスのルート間違へ一旦、フェリー乗り場に行きバス乗り換へで歩く。ポルトガルの家庭料理が売りであっさりした味付けはありがたい。場所は少し不便だが土曜夜でタクシーも拾へず近くのバス停もよくわからず少し歩きフェリーターミナルからのバスでホテルに戻る。胃腸風邪で飲んでゐる薬の所為もあり早めに熟睡。

⇧銅羅湾のリーガル香港ホテルからSt. Paul’s Convent SchoolにLeighton Rdを跨ぐ歩道橋は奧運橋(オリンピック橋)と呼ばれてゐる。誰の判断か歩道橋の階段のステップがアテネの近代五輪開始から始まり4年毎に一段ずつ開催年と都市名が重なつてゆく。もう2016年のリオ開催で階段の最上段までいきついてしまつたところ、数日前にバスから眺めたら、この歩道橋の工事中。そこで、なんと、これまでのアテネからのカラフルな記憶が全て消されてしまつて2008年の北京だけが上段に残こされてゐるといふ。まるで近代五輪が北京から始まつたやうな錯覚。歴史も好きなやうに解釈できるのだから。そしてこんなことまで北京中央から中弁連を通して示唆があるとも思へず香港の小役人どもの忖度なのか。1944年が「取消」となつてゐることも歴史の一ページだつたのだが。