富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2017-08-14

農暦閏六月廿三日。猛暑。何とも怠い。見た目は几帳面なアタシは官邸執務室のオフィス電話のコードも気になる。コードのぐちゃぐちゃが許せず、ちょっと絡むとすぐに直す。コードも付属品のはすぐに伸びてしまふので多少品質の良いものに交換。電話機もつまらない電話での会話が続くときはアルコールパッドで拭いて時間を潰せる。昔、東京で働いてゐたころ、月に一、二度、オフィスの電話掃除に外注の業者のおばさんが来ていたことを、ふと思ひ出す。
毎日新聞の中国政情の記事で香港の蘋果日報に「ひんか」日報とルビあり。確かに音(おん)では「ひんか」だが意訳で「りんご」でいゝだろ。
▼「安倍晋三の野望は恐ろしいものです、選挙民をナメている安倍晋三に一泡吹かせて下さい」と巨泉さんの「遺言」は昨年7月の『週刊現代』の連載コラムから。一年前だが安倍一強で晋三に立ち向かふには一体どうすればいゝのか?も不明な頃。このコラムの一ヶ月後に陛下の「お言葉」があり、それから一年でだいぶ世情は変はつた。巨泉さんも少しはほっとしてゐるのかしら。
▼宇野常普による萱野稔人小林よしのり、朴順梨、与那覇潤らの対談集『ナショナリズムの現在』 <ネトウヨ>化する日本と東アジアの未来を読む。2014年といふネトウヨが最も元気な当時の憂ひ。書棚にあつたまゝで「そろそろ期限切れか」と慌てゝ読む。ネトウヨを思想的に間違つてゐる、浅慮の結果と否定だけリベラル的に否定するのは簡単だが、朝日・岩波的なそれではネトウヨもゐる、晋三が首相の現実でどれだけ対処できるのか、と彼ら。ちなみにこの本は朝日新聞社出版の朝日新書。萱野先生はもともと国家権力の暴力性を説き、その近代国家へのナショナリズムを批判する立場であつたのが本人曰くネトウヨ的なものに対するナショナリズム非難の側(リベラル)のダメさぶりに対してナショナリズム批判を批判する立場になつた、といふ。この論者たちは何よりもナショナリズムの原理的な良し悪しの問題以前に「ナショナリズム国益すら無視して暴走し始めている」状況を危惧。けいしてナショナリズムそのものを批判する必要はない、とする。ナショナリズムの活用、大きな物語の構築を小林よしのりが提唱してゐるが彼の国家論がどのやうになつたのか、は私はわからない。