富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

消費建築!(村野藤吾)

fookpaktsuen2017-05-20

農暦四月二十五日。曇空に霧雨のやうな雨。土曜に午前と午後それぞれ外で会合あり。昼は日本人倶楽部の食堂。夕方帰宅して読書。晩は酸白菜と豚肉の鍋。
五十嵐太郎『現代建築に関する16章』(講談社現代新書)読む。形態と機能。バロックからモダニズムポストモダンへの流れ。広場。身体。日本的なもの。帝冠建築。「イデオロギー的な伝統論は細かい差異を無視してしまう」。藤森照信が縄文派なら隈研吾はデジタル弥生(笑)。写真と近代建築の共犯関係(ビアトリス=コロミーナ『マスメディアとしての近代建築』鹿島出版会)。ル=コルビジェのまなざしそのものがカメラと同化。「住宅からどうのように外を見るのか、横長の窓をつくればまさにパノラマを切り取るフレーミングになる」。建物の内側から外の眺め。スナップ写真のやうなロートレックの酒場の絵。
▼商業建築。ショッピングセンターは今では普及した名称だが、だらだらとした言葉の長さが嫌だ。商場といふ言葉も(中国語に)あるしモールといふ言ひ方もするがモールは建築的にはもつと広義。この商業建築のことを村野藤吾は「消費建築」と読んでゐたことを上述の本で識る。消費建築!なんて言ひ得た表現。消費場所、消費場……これからはショッピングモールをかう呼ぶことにする。