富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

深圳に遊ぶ

fookpaktsuen2017-03-31

農暦三月四日。週末にかけ二週間前は台湾へ、先週末はドバイと続いたが今日からは深圳。家人と朝九時過ぎに陋宅発ち紅磡行きのバス待つてゐるとポツポツと雨降り出しバスに乗るところから本降り。紅磡ではほとんど歇んだが、このあと夜まで降ったり止んだりの不安定な天気。紅磡站からイーストラインの一等車で落馬洲へ。コンコースの売店で大量のヤクルトの運び込み。こんなに売れるのかと驚くほど。内地でどれだけ山寨が多く手頃な香港土産か。中共への関所潜つたら税関にゲートあり旅券かIDの情報読み取りで扉開く仕組み。どうやら密輸等の常連はこゝでチェック入り「どうぞ、こちらへ」になるらしい。用意周到。深圳地铁で华侨城。インターコンチネンタル深圳投宿。クラブフロアのラウンジで正午前だつたがお部屋設へてござゐます、でアップグレードで套間充はれる。下榻。昼餉に出ようとロビーで通りかかつたのがアーケードにあるヴィンテージの茅台酒賣る専門店。1万ドルからの茅台酒五糧液の古酒を政府の贈収賄取り締まり厳しき時世に誰が買ふのかと思ふ。1984年、アタシが初めて中共に入つた年の茅台酒が28千元つまり50万元超とは。華僑城の食街にある悦品汇といふ東北菜の食肆で昼餉。吉林省四平の李連貴燻肉大餅といふ美味そうな料理もあるが二人では持て余しさうで餃子頬張る。近くで超級市場探したらウォルマートあり棚に箱単位で食料品積んであるのかと思つたら売り場の充実は見事で鮮魚が水槽に泳ぎ精肉や野菜、果実から料理惣菜まで大したもの。香港にもこれほどの規模の大型店なし。ホテルに戻りジムのスパ。このスパのサウナとジャグジーは格別で寝椅子が仮眠室ではなくジャグジーの近くにありヒーターつきでタオルかけて臥せると、いゝ具合に蒸せられて仮眠も心地よし。気づくと、もう午後5時でクラブラウンジでハッピーアワー。そこで飲んでゐたら軽食もあり、それで夕食まで済ますことにする。スパ。早寝のつもりが原武史『鉄道ひとつ話2』再読。このホテルに限らぬが、それなりの外資系ホテルだと中共でも本来はご法度の顔本、呟板等「自由社会ネット」に繋がるのはありがたい。

▼ホテルで上客用にクラブフロアを最初に始めたホテルはどこかのか、ラウンジでハッピーアワーはいゝとして酒肴のスナックならまだしも夕食にもなるやうな軽食まで供すやうにしたホテルはどこが最初なのか、といつも気になる。ホテルにとつて飲食部門も重要だが宿泊客がホテル内のレストランで夕食を摂るかといふと出かけてしまふことが多くホテルにしたら出来るだけホテル内のレストラン使つてもらひたいから、宿泊客だとホテル内の飲食は30%オフとかしているわけ。そこまでしてゐるのにクラブフロアの宿泊客に早晩に軽食供したら、それで夕食済ましたことにする客も多い。アタシらも昼はそれなりに食べるが晩になつても腹減らずハッピーアワーで飲んでしまふことで、そこで済ませることが多い。
▼道徳の教科化で教科書でパン屋を和菓子屋へと書き換へには嗤つたが、これについてアタシも多少誤解あり。池上彰文科省への忖度」(朝日新聞こちら)より。
文科省の指摘を受け教科書会社は「和菓子屋」に書き換え検定を通りました。「アスレチック」も同様の指摘を受け教科書会社が改めました。

ここで気をつけなければいけないのは文科省が「和菓子屋」や「和楽器店」に書き換えさせたのではないということです。誤解して「文科省はそんな指示までしているのか」と驚いた人もいるでしょうが、そうではないのですね。教科書会社の方で「和菓子屋」や「和楽器店」を選んだのです。指示されたのではなく忖度した、ということでしょう。
これについて3/29付の朝日朝刊の「天声人語」は「和菓子や和楽器にすがって国や郷土への愛を説くとすれば滑稽というほかない」と批判しています。では誰がすがったのか。まずは困った教科書会社がすがり、それを文科省が追認したのでしょう。
文科省は細かい点を指摘し、その後の修正は教科書会社に任せる。その結果、教科書会社は文科省の顔色をうかがって忖度し「和菓子屋」や「和楽器店」を持ち出す、という構造になっています。
さすが。単にありがちな誤解を説き、それでもけして文科省の肩を持たず寧

ろズルさ、それを話題の言葉「忖度」に托言け更に、この検定の滑稽さを見抜く。その上で(アタシは最近読んでゐない)東京新聞から斎藤美奈子「本音のコラム」を引用する。

日本のパンの元祖は幕末の伊豆韮山の代官で兵学者でもあった江川太郎左衛門が兵糧として焼いたパンだったこと。明治初期に木村屋が開発したあんパンは発酵に饅頭用の酒種を使ったこと。一方、和菓子は遣唐使が持ち帰った中国の菓子にルーツを持つこと。和菓子の発展を促した茶の湯も、栄西が大陸から持ち帰った茶からはじまること。つまりどちらも郷土というより国際交流の賜で両者の間に差などない。

そして最後に「郷土のことをよく知らないのは文科省なのかも」と。全くその通り。

For the first time a Hong Kong identity formed, in conscious contradistinction to what Communist China represented. Today, on the mainland, the chaos and violence of those days are gone. But unbending authoritarianism remains, and Hong Kong’s identity still evolves in opposition to it. That is why loving both the motherland and Hong Kong often involves contortions. China’s leaders should get used to it.In a huffy response, Singapore’s government noted America “allows…hate speech under the rubric of freedom of speech”, whereas Singapore does not. “It is the prerogative of the US to take in such people,” it conceded, as if Mr Yee had received asylum because of the content of his speech rather than the authorities’ reaction to it. The head of Singapore’s association of criminal lawyers said his members were “outraged” by the judge’s “baseless and unwarranted” findings. Saying such things about a ruling of a Singaporean court, ironically, could put the speaker at risk of prosecution for contempt.