農暦三月初五。快晴。初夏のやうな暖かさ。日記綴らうと思つたが1年半ぶりの深圳でのこのホテル滞在は日記見返したら2015年10月24日(こちら)のその日の行動とまるで変はりなし。よって記述省略といふ感じでラウンジで昼食、ジムのトレッドミルで走り昼に出街して華僑城抜けて久々にOCT Loftへ。この一帯の華僑城企業集団(OCT)による田園都市構想は見事に成功。による高文安の設計スタジオに属した麺館 My noodleに拉麺飰す。その日は華僑城の娯楽施設回るモノレールに乗つたが今日は華僑城回る頻繁に走る路線バス(M486系)に乗る。元々、華僑城でも深南大道の北側を走る小型の路線バスはあつたが今は深圳世界之窗始発で華僑城から西の白石洲、紅樹湾の高級マンション地域をぐるりと周り深圳湾沿岸の快楽海岸までといふコース。マンションは不動産屋覗いたら100平米で900万元と香港並みに高額で驚いたが低層でコンドミニアムか、高層でも2フロア式と豪華でため息。快楽海岸は埋立地に巨大な人工湖、その周辺に商業施設やホテル、オフィスビルでまるでドバイ。商業施設は立派だが土曜でも閑散。どこでも同じやうなショッピングモールでは誰だつて食傷気味。OCTがインターコンチネンタル深圳と同様に経営のBay Breeze Resortといふリゾートホテル、20幾つかの全客室は独立型コテージで、ここは泊まつてみたい、が周囲は全部人造で、ここもドバイ的開発。周囲の街並みも横丁の店に犬や猫も寝てゐない街はつまらない。路線バスよくわからずM487系統に乗つてしまひ紅樹湾の殺伐としたマンション建設地に辿りつくが、すでに地下鉄は開業。インフラ整備の極み。反対方向のバスで少し戻りM486で華僑城に還る。客室のバルコニーに出て本を読もうにも民族文化村のアトラクションが土曜日午後でとても賑やか。すべてがウソなのだけど。あちこちのアトラクションの民俗芸能の拡声器通した音が反響してシュールなほど。夕方、ハッピーアワー。今晩もここで早めの夕食済ます。鏡花『高野聖』読む。鏡花の文体こそ見事だが今でいへば奇想天外なナントカノベルなのか。
▼1年半前の深圳のこのホテル滞在当時との違ひ。ネットがこのホテル内は治外法権でFacebookやTwitterに通じることは前回同様だが前回はGoogleはダメだつたのに今回は通じてゐたこと。
▼周末の新聞の読書欄や週間読書人などムラカミハルキ『騎士団長殺し』評多し。朝日や毎日など主要紙のインタビューにまとめて久しぶりに応じたハルキさん、ホロコーストや南京大虐殺に纏わる歴史の影の部分について曰く
歴史というのは国にとっての集合体的記憶だから、それを過去のものとして忘れたり、すり替えたりすることは非常に間違ったことだと思う。(歴史修正主義的な動きとは)闘っていかなければならない。小説家にできることは限られているけれど、物語という形で闘っていくことは可能だ。
かうした作家本人の言説に対して週間読書人の中島京子と鴻巣友季子による、この小説にについての対談が白眉。京子さんが「この物語はセックスが妊娠と結びつくことを恐れている男性の、その試練を克服する物語」と指摘は見事(小説を読んでゐないのだが、私は)。サリンジャー『ライ麦』のホールデンにとつての妹の存在との関連。ムラカミハルキのあの私は苦手な饒舌な比喩も「村上さんの比喩の多様も、理不尽や非日常に対抗して、自分なりに世界を繫ぎ止めるための手段」と。「ともかくデビューから約40年で、ようやく子供が誕生」との指摘には恐れ入る。友季子さんが「子どもの成長と、主人公の加齢を、見守りたいですね」と最後を締めて見せた。
▼国鉄解体とJRへの民営化から30年。当時、叔母がJR東日本の株を所有した、と喜んでゐたのを思ひ出す。国鉄が好きだつたアタシは中曽根の民営化に国労、動労と供に反対だつたがJRになつて確かに(北海道除けば)鉄道事業の財政は改善し収支も安定。だが当時、自民党が「ローカル線切り捨てはない」と宣つてゐたが「絶対にウソ」と思つたのは正解。実際には次々とローカル線は廃止となり新幹線の比重大きくなるばかり。自民党は国鉄解体にせよ「強制はしない」国旗国歌制定にせよ、ウソしかつかない。
@fookpaktsuen: 「社会に満足」過去最高66% 内閣府調査(時事通信 URL エイプリルフールの悪い冗談かと思ったら……
周囲が緊張するなか皇后さまが昭恵氏に話しかけられ一同は思わず身構えた。
「ご心配をおかけします。お騒がせして申し訳ございません」
そんな返答を予期したが昭恵氏は想定外の挙に出た。
「ありがとうございます」そう言うや、感極まって大粒の涙を流し始めたのだ。居合わせた人たちはあっけにとられた。
お言葉は型通りのあいさつでなく短い中に微妙な含みが聞き取れたというが、この大仰な反応であたかも「いわれなき被害者」への励ましか、慰めのニュアンスに染められてしまった。存分に泣いた昭恵氏は、その後あふれんばかりの笑顔で飛び立つ飛行機に夫と並んで元気いっぱい手を振った。(略)昭恵氏の気ままな笑顔と涙、秘書がいること、無邪気で軽い右翼趣味をメディアは知っていた。安倍首相の妻ならこんなものかと慣れっこになっていた。旧称・安倍晋三記念小学校予定地の国有地問題が地元市議の情報公開請求で明らかになるまで、昭恵氏の政治「権力」にまるで鈍感だった。明らかになっても政治問題と認めず報道量が異様に少ない新聞があった。報道も「忖度」を疑われている。問題の展開は首相側と学園側の暴露合戦でメディアが暴いた事実はほとんどない。昭恵氏はつい最近も講演などで旺盛に発信していた。国会に呼んで喚問するより、まず堂々と記者会見に臨むべきだ。メディアも会見を追求するのが筋だ。記者会見なら泣いても終われない。