富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2016-12-01

農暦十一月初三。天皇退位に関する(自称他称)有識者会議が(いろいろな意味での)専門家からの聴取終へ、さて具体的にどうするか年明けに発表ださうだが既に「特別立法法で集約へ」といふ流れといふ(毎日新聞)。今回この専門家らのコメントで興味深いのは、これまで親皇派だと思はれてきた学者らが実は<天皇>擁護ではなく<天皇制>こそが國體で、それに確執すること。聖上の真意など二の次。まさにこれぞ天皇機関説美濃部達吉は見事に天皇制の本質を見抜いてゐたのかも。今日このタイミングで陛下の学友が陛下のお気持ちについて発表といふ記事が新聞各氏に。何たるタイミング。聖上は退位につき「自分だけの問題ではない、将来にわたって象徴天皇制のあり方がどうあるべきかが大切」と述べたさうで(直接的な表現避けながらも)特例法での対応に異を唱へた唱えてゐる(朝日、こちら)。朝日は学友の素性書いてゐないが東京新聞にはこのご学友が明石さんといふ方で貴族院議員で男爵の長男として生まれ陛下とは四歳の時からの竹馬の友、と紹介。明石といへば、この方の祖父が日露戦争前の「明石機関」の明石元二郎(第七代台湾総督)。かういふ記事なら毎日新聞が得意。前述の、退位は「特別立法で集約へ」を一面トップに置いた横で、この学友による陛下のコメントは実は今年七月に麻生漫画太郎の紹介で官邸で退位問題担当の副官房長官(杉田某)に会ひ伝へられてゐたといふ。七月にこの面会の一週間前に陛下から晩十時にこの明石氏に突然の電話があつたさう。それにしても、この陛下のコメントのことが有識者会議のこのタイミングで新聞に一斉に発表とは夏前の晋三もビックリの「生前退位」がNHKで、あのやうな形で報じられた時のやうにとんでもない計画的、用意周到なマスコミや世論への影響考慮した動き。電通も真っ青か(まさか、これに絡んではゐないと思ふが)。新聞も新聞で、これをどこかがスッパ抜いたならまだしも一斉に記事に、では大本営発表。日本の報道の自由度が世界でも高くないのはこれでも明らかなり。