富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2016-11-17

農暦十月十八日。昨晩は珍しく三更まで起きてゐたが夜中の三時に目覚めてしまふ不幸。周恩来が毎日睡眠を4、5時間に削つて国家の大事に働いたといふが「年寄りで眠りが浅い」のではなかつたかしら、と思ふ。2時間ほど書き物と読書で5時から1時間余の二度寝。散髪。年をとつたら身体が萎んでしまひサイズの合はないジャケットを改衣に出してゐたので、その受け取り。太古城。ズボンもウエストが緩くなりすぎて兄のお下がり穿く子どものやうでユニクロに寄るがビジネスカジュアルな洋品は殆ど姿を消してのカジュアル路線。無印も中途半端なものしかなく初めてH&Mに入りズボンお買ひ上げ。H&Mは裾上げ等のサービスもなし。さすがに睡眠不足で晩九時すぎに寝入る。
▼香港の状況に絶望的な言説が少なくない。香港の「民主の父」といはれるマーチン李柱銘師の<醉翁之意不在酒 人大釋法不在「獨」>(蘋果日報)。

是次釋法絕對是後患無窮,除了一下子就把特區的行政管理權、立法權及獨立的司法權,一併架空,更是把一國兩制及高度自治全面摧毀了。可見釋法的目的根本不只是要褫奪兩位「港獨」議員的資格,故基本法委員會副主任梁愛詩日前也指,不相信會有大批議員會在人大釋法後,被司法覆核而失去議席。因為是次釋法根本是為了落實白皮書,實現中央對香港所擁有的「全面管治權」。

そして訒達智兄は蘋果日報の随筆に「香港、天國近了」(こちら)と題して嘆く。

所多瑪,那個被天火燒盡的城巿,活人被燒成鹽柱……天國近了,香港也近了:上帝要你滅亡,必先叫你瘋狂!
幾年下來,分化成幾極,曾經傲視全球的都會四分五裂。亂世出妖孽,什麼蛇蟲鼠蟻從天上地下四方八面湧現。
本應信心十足,以為一點點事故就似疾病,城巿與人沒兩樣,誰可避免?
回頭細數,這場病豈止傷風感冒肺炎?
簡直就是瘋狂!慘在瘋處未為瘋,只有更狂。
城市與人,都沒機會選擇,純粹命運。
他愛的城巿惡變所多瑪。
義無反顧,他讓意亂情迷將自己、不躲避,寧願燒成鹽柱。

この政治への期待の脱力感は香港だけではない。トランプ当選のアメリカでは更に深刻。

  • さあ、私たちはいま、何をしたらよいのだろう? 「私たち」とは、左派から中道派、さらには右派まで、ドナルド・トランプ氏を過去最悪の大統領候補と考え、ほかの市民も大多数が同じ意見だろうと思っていた人たちのことだ。

……とクレーグマン教授は話を始めるが結局、何も明確な回答はない(紐育時報のコラム、朝日転載こちら)。リベラル左派は終わってしまったようだ。そんな中でトランプショックに陥つてゐない論証をしてゐるのが、さすがエマニュエル=トッド教授。朝日新聞こちら)で

歴史家として見るなら「起きたのは当然のこと」です。自由貿易と移民が、世界中の働き手を競争に放り込み不平等と停滞をもたらした、と人々は理解し、その二つを問題にする候補を選んだ。有権者は理にかなった振る舞いをしたのです。
奇妙なのはみんなが驚いていること。本当の疑問は「上流階級やメディア、大学人には、なぜ現実が見えていなかったのか」です。
選挙戦では、候補個人について多くのうその応酬がありました。しかし、社会について語る場面では、真実を口にしていたのはトランプ氏の方でした。
彼は「米国はうまくいっていない」と言いました。本当のことです。「米国はもはや世界から尊敬されていない」とも言いました。彼は同盟国がもうついてこなくなっている事実を見ています。そこでも真実を語ったのです。(略)
トランプ氏選出で米国と世界は現実に立ち戻ったのです。幻想に浸っているより現実に戻った方が諸問題の対処は容易です。(略)
民主主義という言葉は今日、いささか奇妙です。それにこだわる人はポピュリズムを非難します。でも、その人たちの方が、実は寡頭制の代表者ではないでしょうか。大衆層が自分たちの声を聞かせようとして、ある候補を押し上げる。それをポピュリズムと言ってすませるわけにはいきません。人々の不安や意思の表明をポピュリズムというのはもうやめましょう。

と、この指摘に溜飲下がる思ひ。