富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2016-10-18

農暦九月十八日。海南島方面に抜ける台風の影響で風雨強し。雨傘、雨套、雨靴……雨が降ると外での体育が休みになるから子どもの頃、雨が好きだつたアタシ。午後6時。未明というか夜中から、もう15時間も起きているわけで電通ぢゃないがしんどい時間。気分転換にコロンをつけてウオツカ。どちらも気つけ薬には変はりない。晩に自宅で簡単に浅蜊のパスタ。Doudet NaudinのBourgogne Chardonnay 2014年飲む。格段の美味さに華人とさっと一本開けてしまひ酔っ払ひモード。
▼香港政府の立法會。9月選挙で選出された本土派の新人議員らが議会での議員宣誓で慣例に従はず香港独立や普選実現といつたスローガン述べて宣誓不成立となつた件。立法會主席(民建聯の梁君彥・新任)が彼らに対して書面で(従前通りの形式的な)宣誓提出求め、これで事態収集図らうとしたところ行政長官CY梁が事もあらうに律政司とともに高等裁判所に対して、この再宣誓不可を司法審査求める前代未聞。裁判所もさすがにその臨時の禁制発令こそ拒んだが司法審査は受諾で来月審査の由。行政の立法に対する干渉、三権分立の崩壊は晋三ばかりか香港でもこの状況。呆れて言葉もなし。
▼タイではプミポン国王の死に黒衣を身に纏ふ人々の多さ。政府も政府機関は喪中を1年として公務員には黒いスーツ着用を指示。国民も30日間は娯楽自粛で黒衣着用呼びかけられ従業員に黒服着用命じる企業もあり。日本の天皇崩御も自粛が凄かつたがタイのこれはレベルが違ふ。黒衣が品薄となり小売店が不当に価格吊り上げぬやう政府が声明を出したり黒服でない市民が避難される風潮もある由。政府は低所得層の800万人を対象に黒いTシャツ無料支給。この黒衣で目指すものは何なのか。タイの国王崇拝ではなく近代国家の特徴がよく出てゐると思へる、この事象。
民進党代表の蓮舫議員の国籍問題がやゝこしい。

民進党蓮舫代表は15日、台湾籍を離脱したことに伴い「戸籍法に基づき日本国籍の選択宣言をした」と東京都内で記者団に説明した。離脱を証明する書類を日本政府に出したが受理されず「行政指導されたので選択宣言をした」と述べた。金田法相は14日の閣議後記者会見で「一般論として、台湾当局発行の国籍喪失許可証が添付された外国国籍喪失届は受理をしていない」と述べていた。

のだが、この続報によると(いずれも朝日新聞

蓮舫氏は戸籍法に基づく手続きについても説明を変えている。手続きは?外国国籍の喪失を届ける?日本国籍の選択宣言を届ける――の2通りがある。
蓮舫氏は今月13日の会見では、?で「適正な手続きをしている」と繰り返した。だが14日の金田法相発言(?に関し「台湾当局発行の国籍喪失許可証が添付された外国国籍喪失届は受理していない」いうコメント)のあと、蓮舫氏は翌15日になって?について「不受理とされた。受け付けてくれなかった」とし、?にのっとって「選択宣言をした」と説明を変えた。

……何だかややこしい。蓮舫さんの味方をするわけではないが彼女がウソをついてゐるとも思へず(多少、曖昧なところあり)。我々が注視しないといけないことは前提として「台湾が日本の旧植民地であり台湾人は日本国籍を有してゐたこと」に加へ、台湾(中華民国)を国として認めてゐないためこの法相発言にある通り「台湾当局発行の国籍喪失許可証」を国が発行する公文書として認めてゐない、といふことでせう。そこを明確にしないまゝ「蓮舫二重国籍」と避難しても何も拉致があかないのだが。旧植民地で日本など故郷と思ふ台湾人たちにとつて、自分たちの国が勝手に二つにわかれておいて、だから国籍も日本と中華民国の二重になつただけのこと……を国の視点で、しかも「日本人が国の視点で」見る感覚こそが奇妙なのだが日本人にはこれはわかるまい。
▼TPP承認案審議の衆院特委で晋三が「我が党においては結党以来、強行採決をしようと考えたことはない」と答弁。自民党の議員(福井某)がTPP承認は強行採決で実現と宣つたことで特委理事辞職することになつたが晋三曰く「円滑に議論し、議論が熟した際には採決する、民主主義のルールに則っていくのは当然のこと」。現実には「強行採決はしよう最初から考えてはいない」が議論した上で野党との合意が見られなければ安保関連審議での参院特別委での揉み合ひの中での議事速記もできぬ混乱のやうに「結果的には強行採決となる場合もある」だらうに。こんなとんでもない晋三の首相としての支持率は前月調査より4ポイントは下がつたが今でも48%(朝日新聞)。その晋三の昨晩の会食相手は旧キャピトル東急ホテルの「赤坂ジパング」で参詣新聞の阿比留瑠比なり。
▼晋三といへば憲法審査会を前に改憲草案はすでに出してゐるとして撤回しない主張してゐたが自民党憲法改正推進本部は改憲草案(第二次)を「そのまま提案することは考えていない」。撤回はしないが審議会には提案せず。嘘つきは自民党の始まり。とにかく改憲すれば党是実現で日本が真の独立国に、といふ思考の稚拙さよ。