富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2016-09-11

農暦八月十一日。夜明けで朝焼けなんて本当に久しぶり。岩波『世界』七月号読む。槇文彦先生の「ポスト・オリンピック社会のために」の鼎談が興味深い。快晴猛暑。七月末以来のジョギング。午後、家人と荃湾。用事を済ませ民豐粉麵行で餃子など贖ふ。いつもの行列に並んでやつと売り場にたどり着くと「お客さんたちも香港、長いわよね」と女将。四半世紀以上と答へると「あら、私ももう41年よ、台湾から来てね」。店を出ると家人曰く十年前も女将曰く四旬だつた、と。忙しすぎて年をとらないか。相当の繁盛だが休まず店頭に立ち店を仕切る女将はご立派。早晩に湾仔。杭州酒家。日本でも有数の建築家で中国での建築多いK事務所で設計室長をされ杭州だけでもアリババ本社や中国美術学院民芸博物館の建設に携わり独立された建築家のF先生との会食。すでに仲良くされてゐるK先生から「ぜひご一緒してみてください」とご紹介いたゞく。新進気鋭の立派な建築家と新国立競技場や築地市場移転、ザハの建築、香港の都市開発等々アタシのやうなトーシローが話をさせていたゞくとは恐悦至極。淡路島ほどの面積の香港で70%の面積が自然公園に指定され山手線圏のやうな広さに700万人が居住することに、なぜ都市化を制限したのか?といふ問ひにF先生が直感的に「生活用水のための水源確保では?」と即答されて畏れ入谷の鬼子母神。確かに。中共から生活用水の購入始めるまで水源確保が香港にとつての切実な課題で巨大なダムをいくつも建造し……には確かに山を崩しての都市化は死活問題。その分、限られた平地や埋立地に高層ビルの都市化。しかも香港の凄さは、その700万人の生活に公共交通機関と道路網の充実がある。長年の疑問に一つ大きな解決を得た感あり。
内閣府政務官の務台某、岩手県岩泉の豪雨災害地視察視察の際に長靴履いてをらず町役場の職員に水たまりで「おんぶ」させたといふ。「バタバタしていた」ので長靴を履いていくような気が至らなかったと本人。これで復興政務官を兼務。しかも総務省出身の自民党衆院議員で消防庁防災課長の経歴もあり。プロ中のプロがこれ。バット持たずに打席に立つやうなもの(本日、日本ハム首位でソフトバンクとのゲーム差0.5に)。あまりのレベルの低さ。現場の困難はわかるが岩手の久慈で罹災証明の発行が漸く今日から。台風の雨の被害は八月末。「どこでどんな災害が起きても」に対応した大規模災害の場合のノウハウが全くできてゐない。NHKのNW9でそれを伝へたあと「笑顔で登校してきた子どもたちを見て少しホッとしました」で何事も済ませてしまふ災害大国。築地市場清洲への移転問題も同様。正確なデータが公開されてをらず盛り土だとか建物の床下に水とか福島の原発と全く同様。責任問題も所在も東日本大震災を「天誅」とまで言ひきつた慎太郎は清洲問題は不問か(利権も絡んでゐるといふ話もあるが)。