富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

農暦八月初十。昼前は黄色警報発令の大雨。今月に入り雨の降らぬ日なし。
軒下にトンボも宿る初秋の大雨
iPhone7「異例の日本重視」Suicaに対応(朝日)って日本がFelicaにせよガラパゴス的進化を遂げているから「それに合わせただけ」でせうに。新聞記事の中にはまるでApple Payが今回登場の機能のやうな記述もあり。ありゃ前回ので香港ではもう実用化されてゐる。今回はピアノのやうなコーティング加工のJet Blackと呼ばれる色が目玉だといふがつや消しの黒も美しくCSL商店のL君に入荷したら教えへてね、と頼む。昼過ぎTBSの久米宏のラジオ番組で巨泉特集を聴く。普段、スポーツ観戦は全くせぬアタシだが日本の職業野球でパリーグは常勝ソフトバンクに対しての日本ハムの追ひ上げ、大谷君の打者としての大きさに惚れ惚れ。昨日首位入れ替はり今日は大谷君本塁打日本で勝ちソフトバンク負けて1.5差。セリーグは今日の広島対巨人軍で市民チームが軍に勝てば優勝といふのでニッポン放送のラジオで9回の中継を聞く。広島優勝とわかつてからテレビつえたらNHKプレミアムでも放映してゐた、プロ野球は海外の放送権は不問だから。広島カープ25年ぶりの優勝、と聞いて「古葉監督の赤ヘル軍団から、もう25年か……」と一人感慨に耽ったのはアタシだけ、かしら。三週間分の週刊読書人等読む。週刊読書人で長年連載の横尾忠則日記が日経から刊行の由。8月19日号は特集は横尾本人交へてその日記刊行の鼎談。朝日の読書欄も横尾が光彩放ち東京新聞夕刊の半世紀語る連載も横尾で何だか横尾忠則の存在が大きいすぎる。
毎日新聞の中国文革特集。1967年1月下旬から約2週間、毎日新聞特派員視察団のカメラマンとして文化大革命を現地で取材した荒牧万佐行氏(75)の回顧談(こちら)。

深圳から広州に向かう列車内で、紅衛兵の腕章を付けた女性乗務員が乗客を前に毛沢東を賛美する歌を歌っていた。車内には文革を呼びかける横断幕も張られていた。当時、乗務員たちは毛沢東賛美を優先し、乗客へのサービスは後回しにすることも多かった。

当時は3時間ほどの旅程。10数分おきに超特急の出て1時間かけず広深間を結ぶ今からすると隔世の感あり。私が初めて乗つた80年代初頭ですら駅前に何もない深圳站で外国人は軟坐の候車室に通され中共の宣伝雑誌など読まされソファで茶を飲みながら、で列車に乗り2時間半ほどかけて広州に向かつたもの。
天皇生前退位につきリベラルが共産党まで含め容認に対して日本会議やカルト的右派が断じて退位に否定的で摂政置けば良いと陛下の思し召しに応じない。結局、残したいのは〈國體〉といふ明治に生まれた漠然とした何か、要するにそれがあればすべてそこに収斂され心休まる場所さへあれば良いのであつて極端な話、天皇など誰でも良いのかしら。だから明治帝すり替へ説や松方正義らによる大正帝の精神病扱ひ、先帝の戦争責任の回避となり、戦後民主主義の象徴としての両陛下の国民の前への露出すら厭ひ「御簾の向かふにあれば良い」(加地伸行)とか「畏れ多くも陛下は御存在自体が尊いといふお役目を理解されていないのではないか」(加瀬英明)といつたとんでもない不敬な発想となる。これが狂信的天皇主義者と思はれてゐた連中から発せられてゐるのが何ともおかしい。結局のところ彼らは天皇陛下バンザイなのではなく天皇制に基づく國體に対する信奉。さう思ふと美濃部博士の天皇機関説がどれだけ正鵠を得てゐたか。8月8日の陛下の玉音放送を受けカルト的な國體擁護派の男どもたぢろぐが、やはりこのカルト連中の巫女的存在である櫻井よしこのいふ通り「天照大神の子孫の神々様から始まり神武天皇が即位なさって神話が国となったのが日本だ、その中で皇室は重要は役割を果たしてきた」といふ大いなる妄想に立ち返るべき。
▼話は旧聞に属すがリオ五輪閉会式での晋三のマリオ姿での土管からの登場。ブログで「だだ漏れ汚染水をどうにかできるめどが全く立ってない状況で他国に通じる排水管ってすごいよね」と書いておられた方がゐたが本当にその通り。