富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2016-09-03

農暦八月三日。やつと雨が降らず。週末だが外で打合せもあり官邸で書類整理。陋宅の2010年から使つてきたDVD/VCRレコーダー故障。当時まだ見終はつてゐないVHSのヴィデオが何本もあり、それを見るためにVHS対応のものを探してたらLGで一台だけVHS機能つき、がそれ。もうさすがにVHSは不要で普通にテレビ録画できる機種を買ひ替へのつもりで家電店に行つたら、もはやテレビ録画はテレビ本体のHDでするわけでブルーレイやDVDの再生機ばかり。パナソニックの再生機購入。帰宅して早速、随分と昔に久が原T君から貰つたDCRで大成駒の昭和48年の〈茨木〉を見る。今になつて六世歌右衛門を若い頃に舞台拝めたことに感激。NHKオンディマンドに海外不可だがVPNかまして過去の番組見放題に加入。お好み焼き。
守屋武昌・元防衛事務次官「ゆらぐ文民統制朝日新聞9月1日(こちら)より。

戦艦大和建造がよい例ですが、戦いに勝つための軍事的合理性をとことん優先するのが軍です。この軍艦があれば、この兵器があれば勝てる、問答無用だと財政を無視して突き進む。そうした国は往々にしてつぶれます。世界の国々がそこに気づきました。
日本も先の大戦に敗れ、たどり着きました。戦後、軍事組織を発足させるにあたり、各省庁から集められたキャリア官僚はみな戦争中の軍事教練や従軍歴がある人々でしたから、彼らは甚大な被害を生んだ大戦を教訓に「同じ轍は踏むまい」と必死に知恵を絞りました。
国会、内閣に加え、防衛省内(保安庁防衛庁)でも文民統制をおこなう。制服組による軍事の計画策定と実施について、軍事の『基本』を担当する背広組が、大臣の「指示」「承認」に関与する日本独自のチェック体制はそこから生まれたのです。
自衛隊の現場を知ることが文民統制の大前提ですが、文官がその努力を怠った。それが制服組の反発を生み、今日の事態を招いたとも言えます。
制服組はまず、自らの限界を知り、歴史に学ぶ必要があります。陸海空はおのおのが何十もの専門職種に分かれた集団です。自らの職種に精通するだけでも長い時間を要し、40代後半まで部隊訓練と、技術・戦術を習得するための座学に追われます。
結果として、陸自の人間は海自、空自、内局の事情に通じていない。海、空も同じです。統合運用が重視されるようになった現在、統幕では陸海空全体の知識と理解が必要になります。さらに他省庁との調整といったことも加わってきますが、専門家集団に全体を見ながら判断することができるでしょうか。
政治家は、制服組に背広組の関与の排除を要求され、認めてしまったことを大いに反省すべきです。戦前の敗戦に至る一連の道筋は軍隊の暴走を、政治をつかさどる文民がくい止められなかった歴史でしょう。この法改正をした政治家はのちのち名前が残ります。仮に事態が暗転したときに「こんなはずではなかった」なんて言いわけは絶対に通用しません。