富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2016-08-28

農暦七月廿六日。夜中に赤の豪雨警報が出て、かなりの雷雨だつたさうだが全く気付かず朝四時すぎに起きる。日曜だが今月はいくら二八は世の中忙しくないとはいへマラッカに遊び日本に帰省もしたので仕事もたまり官邸で書類整理。早晩に太古城。UAの映画館で家人と「シン・ゴジラ」観る。怪獣映画といふより霞ヶ関と永田町の何とも「日本的な」意思決定の曖昧さとリーダーシップの甘さで「だから日本はダメなんだ」だが途中から中間管理職と現場レベルの「プロジェクトX」的な技術力で集団の力でゴジラに立ち向かふ……といふわけで日本人に「絆」とか「日本人も捨てたもんぢゃない」といふ前向きな感情を抱かせる。だが現実には日本の技術力も三菱重工の国産機MRJは依然離陸せず高速増殖原型炉「もんじゅ」は1.2兆円投入の上に更にこの10年でも6千億円が必要と試算が出て官房長官下で廃炉も選択肢に含め「今後のあり方を慎重に検討」といふ、これがゴジラにも出てきた日本の思考そのもの。首都東京の心臓部はかなり破壊されたが日本は「スクラップ&ビルド」で立ち直る、といふのはまさに自民党土建政治。字幕もかなりアバウトななか香港でもこれだけヒットするといふことはさういふ部分は抜きにして単に娯楽映画としてもウケてゐるのかしら。少なくとも米国ではウケないか。それにしてもバランスのとりやうは見事で核依存への懐疑といふ面では左翼リベラル的な主張もあるし、外的に立ち向かふには安保での米軍依存ではなく国防、自衛隊の充実が必要なのだといふ点では右的な主張とも見えるし(だから自衛隊があれだけ映画制作に協力)まぁあまりに巧妙なバランスの取りやう。鎌倉から陸にあがり横浜、川崎へと進んだゴジラ自衛隊が首都防衛線と決めた大井川を突破、大田区から品川、で東京駅で休止。ここが首都攻防戦となるが、やはり皇居は襲はず。映画終はり太古城Cityplazaで夕食とる気になれず岡田屋で鮨のテイクアウト贖ひ帰宅。
リオ五輪終はり中国のメダリストら香港に現れ香港市民に中国心のアッピール活動。女子バレーボール隊と香港市民の交流で、少女が選手らに「郎平監督は怖くないんですか?」と質問(こちら)。これくらゐが唯一の番狂はせか。