富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

東都二日目

fookpaktsuen2016-08-20

農暦七月十八日。雨。関東一円にかなり降るなかうまい具合で雨を避けつ麻布から大門経由で京成線乗り入れで佐倉。家人両親の隠居処に伺ふ。リオ五輪の陸上男子400mリレーで日本が銀の生中継。京都に住む甥に銃数年ぶりに再会。昼に佐倉城下のおかやま食堂。とんかつ。肉厚のロースでまぁ柔らかくて美味。ご両親と甥にお別れして家人と佐倉の町中歩き京成佐倉。特急で西日暮里。家人と別れ山手線で池袋。西武池袋線の中村橋。乗り換へアプリで成る程と思つたが、池袋で西武池袋線ではなく有楽町線で練馬迄行き西武線に乗り換へと指示あり。そんな面倒な、と思ひ直で西武線に乗らうと思つたらJRから西武線への距離が長く有楽町線の方が乗り換へが楽……成る程。中村橋で練馬区立美術館。上智のK君と待ち合はせ。しりあがり寿の現代美術「回転展」見る。1980年代中庸の『エレキの春』やナゴムレコオドで有頂天のカセットマガジンの挿入漫画から朝日新聞の『地球防衛家の人々』から311のシリーズの原画などじっくりと見せてから「何故か」今回のテーマ展である〈回転〉となる。すべて回転。なぜか回転。いゝ悪い、好き嫌ひではなく〈回転〉……草間彌生の水玉へのカウンターカルチャーか。新宿に行くのに池袋に出て……と思つたら西武池袋線で「元町・中華街行」は練馬の先から西武有楽町線といふ地下鉄道に入り小竹向原から営団副都心線新宿三丁目。matchbacoといふ画廊(こちら)で井原信次(こちら)個展。週刊読書人で「誰も見てゐないから」といふ連載がこゝ数ヶ月続いてゐる。精緻な画風で今回は博多山笠の男衆をテーマに。山笠といへば締込みに水法被だが久が原T君に、この水法被は「締め込み一本だと余りに野卑」と取り締まりかけた当局に掛け合つた頭山満の発案と聞きくが「この法被着たほうがよっぽど……」と。御意。つな八で早めの夕餉。バーVからバーQで終はりにしようと思つたのは不安定な天気で田無迄帰るK君の電車を気にしたからだがK君は赤坂にある祖父母H先生のマンションが、ご夫妻は信濃追分で避暑中とのことで、今晩はそこに泊まるといふ。それぢゃもう一杯といふことでバーRで赤葡萄酒一本空け深更に至る。K君から中江丑吉の日記読んでゐると聞き、丑吉と鈴木言一との交換書簡集、橘樸著作集を譲る約束。今晩から二泊、泊りは新宿の小田急のサザンタワーで旅荷は朝のうち宅急便の関東当日便で送つておいたが、新宿でも靖国通りから南新宿迄歩くには酔ひもあり円タク拾つたら助手席から出てきた人が扉空けてくれ何事!と驚いたら左ハンドルでAudiのA6を用ゐた個人タクシー。本革のシートに沈む。