富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2016-07-24

農暦六月廿一日。快晴。暑いのでジムで走るつもりが、ふと薬(って危険な薬物ぢゃなくて家庭常備薬よ)やバンドエイドなど、居間や書室、浴室、旅行用品などに同じ物が点在するのが気になり、整理し始めたら昼に至る。白花油の小瓶がいくつもあり防虫スプレーでも作らうと一瓶に入れかへてみると大した量じゃない。かうして片づけ始めると断捨離の気持ちもよくわかる。どれだけ無駄なものが多いか。昼過ぎに中環。路上で立法會主席の曾諐成の尊顔を配す。後で知つたが香港商台のラジオ番組に出演で立法會議長退くにあたり立法會議員のあまりの身たしなみ、抗議行動の乱れに苦言。御意。按摩。擦背(垢擦り)の者までポケモンGOの話題にうんざり。初めて冷房トラムに乗る。二階座席後部の椅子の位置が高く、その下に何か装置。蓋上にある冷房装置で二階ばかりか一階車室まで冷やす技術は大したもの。進行方向右手後方の角に天井から階下まで通風孔があるのか柱が太い。寒すぎ。陋宅にて夕餉のあと香港大のN姐にいたゞいた京都は永楽堂の琥珀「栗」頬ばる。


参院選で与党に対する熱狂的な支持もないなか与党圧勝は「奇妙な判断停止」と宇野重規教授(政治学・東大)。極端な左右の分極化避け慎重で消極的な現状維持。勿論、この判断には不甲斐ない与党で選択肢もなし、といふ前提ありなのだが。それにしても小選挙区制。河野洋平君曰く、1994年に細川首相の小選挙区導入に合意は大失敗で非常に責任を感じてゐる。素直で誠実な人だが、謝るまで。それでも小選挙区制のまゝでも運用は変へられる、小選挙区で落選した議員の比例復活当選は無くすこと、と。これは確かに。
▼日経の世論調査天皇生前退位の意向表明につき「問題なし」が80%で生前退位「認めるべき」が77%といふ聖上の好意的な結果。保坂正康さん曰く(サンデー毎日日本国憲法の理念が危機に瀕してゐる現在の状況に対して今上天皇が不安感を抱き何らかの形で異議申し立てを表明しても不思議ではない、改憲の潮流に対して天皇の起こした「たった一人の反乱」。かなり際どい見方だが強ちズレてはいまい。古川劉久教授(歴史学・日大)曰く、職業選擇もできぬ、つまり基本的人権の範疇の外にある立場で皇室典範憲法超越する部分もあり天皇が退位して、どのやうな地位で権限と考へるといっそのこと何の権限もない立場、つまり民間人になるのが一番良い、と。