富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

台北二日目

fookpaktsuen2016-07-15

農暦六月十二日。摂氏36度の酷暑。かなり汗をかく。所用のなか唐山書店と大學口胡椒餅は済ます。政大の学生と話す機会あり。来年は北大に留学だと聞き大陸への抵抗感の無さは外省人の末裔なのか、と思ふ。早晩に林森北路のバーで啤酒飲み復興南路の微風広場へ。かなり高級なショッピングモールだが如何せむ場所が中途半端。目の前を捷運の文湖線が通つてゐるが南京と忠孝の丁度中間。こゝの楼上に東急ハンズ紀伊国屋書店ユニクロと無印が1フロアずつ入つてゐるのだから、それさへあれば生活できる感あり。紀伊国屋で本日、来台の家人と待ち合はせ。お決まりで陸光小館に飰す。普通の飲食店なら啤酒など冷蔵庫から請勿自取(勝手に取らないでください)なのに、この食肆は請自取(自分で取ってください)なのが可笑しい。暑さにバテて珍しくタクシーでホテルに戻る。

天皇退位につき朝日新聞の「天皇陛下「ふさわしいあり方」重視」といふ記事(1面)のリード。

天皇の位を生前に皇太子さまに譲る「生前退位」の意向を示している天皇陛下が、宮内庁が今年に入って公務軽減を検討した際に受け入れず、「象徴としてふさわしいあり方」ができないのであれば生前退位もやむを得ないとの意向を話していたことが宮内庁関係者への取材で分かった。

悪文のお手本。全く意味不明。あとの記事を読むと、これは

天皇の意向を踏まえ)宮内庁が今年に入り公務軽減を検討し「官邸に報告したが」「官邸でこれが受け入れられず」象徴としてふさわしいあり方ができないのであれば生前退位もやむを得ないとの意向を話していたことが宮内庁関係者への取材で分かった。

どれだけ晋三らが聖上のかうした判断が癪に触るか、といふこと。麻生漫画太郎も現行でいける摂政制で良いと発言。つまるところ「天皇のことについては俺たちが決める」といふ薩長土肥から明治政府、そして戦前の岸ら革新派官僚から民主党を経て自民党につながる価値観が晋三や漫画太郎をして今も息づいてゐる。晋三は女系天皇に反対の立場で、さらに旧宮家の男系男子の皇籍復帰まで提唱。それも「占領体制からの脱却」といふのだから困つたものだが実は今回の聖上の退位思し召をして、実は官邸でも数年前から限られたメンバーで皇室のあり方を検討としてきたのは実はこの晋三案のことで、それだつたから宮内庁からの突然の天皇退位といふリークは晋三にとつても驚き。毎日新聞の記事(野口武則)はこの状況を皇室典範に詳しい保守系の学者曰く「退位の問題が優先され旧宮家復帰の話は吹き飛んでしまう」と。自民党幹部も退位問題が「安倍政権の一大仕事になる、他の問題を同時にやるのは難しい」といふのは、つまり改憲へのプロセスも日程で困難に、といふことか。国政に関与せぬ天皇のはずが思し召一つで国政に大きな楔を打ち込むことになるとは。また皇室内では今回の退位が実現すれば上皇天皇に皇太弟(秋篠宮)といふ、これまでにない権力関係ができることになり女系天皇、皇族も生まれゝば秋篠宮家への譲位もすんなりとはいかず、それにより皇太子バッシングの上で秩父宮的に秋篠宮担ぎたい勢力にとつてはイライラ募るばかり……かも。
▼フランスのニースで革命記念日の花火大会にトラックが突っ込み八十数名を轢き殺して運転手は銃を手に車を降り警察と銃撃戦で射殺される。チェニジュア出身の男。安易なテロもいい加減にしてほしいが、この手のテロが頻発する原因は何か、を考へるとテロリストばかり避難できず。
▼作家の東山彰良が中国語を教えてゐる大学の1年生の授業で参院選前に選挙に行くか?と学生に尋ねたところ三分の一ほどが投票すると答へ、そのほとんどが「親の選んだ候補」に投票すると言つたさうな。親が子どもにそんなこと託すのは利権だらけの自民党か、創価学会公明党くらゐか。左傾家族もないことはないだらうが。こんなことなら選挙権など引き下げは意味もない。