農暦二月初五。雨。朝十時に金融Ａ氏、貿易Ｋ氏と待ち合わせ家人と４人でマカオに遊ぶ。お二方とも三月末で帰国前の送別。マカオで珍しくタクシー乗車で路環へ。Restaurante Espaço Lisboaに飰す。昼から緑（Vinho Verde Quinta da Aveleda 2014年）、白（Alentejo Esporão Reserva Branco 2011年）、赤（Quinta do Crasto Reserva Old Vines 2012年）と飲む。ポルトガル風といふかマカオ風の豚肉と野菜のシチュー（煮込み）が美味。雨のなかフランシスコ＝ザビエル教会まで散歩。混雑するバスで市街に戻りClube Militar de Macauのラウンジで一服。夜呣街の最香餅家で菓子贖ふ。マカオソウルに飲む。白（Herdade dos Grous Alentejano Tinto 2014年）と赤（Quinta do Crasto Reserva Old Vines 2012年）を昼に続き２本目。小雨のなかタクシーで波止場に戻り20時半のジェットフォイルで香港に戻る。日曜の新聞で読書欄は毎日新聞のが一番充実してゐると思ふが今日の毎日で黒田征太郎氏が「この３冊」で野坂昭如追悼、名文。
▼昨日の日経に「原発 膨らむ安全対策費」と記事あり。「震災前から3.3兆円増」だとか「安心確保課題残す」の日経ですら、さすがに311から５年で悔ひ改め反原発にシフトか……と思つたが（冗談）、結局記事を読むと「古い原発を動かすより最新技術で原発を造った方が安全性は高まるという見方もある」として「安全な原発とは何かを正面から議論することが欠かせない」と、さすが原発御利益の日経さんに言葉もなし。
▼朝日新聞で曽我豪（編集委員）「日曜に想う」で嶋聡なる人物の言葉を借りて民主党への苦言。曽我豪といへば朝日で晋三に通じる（かつては民主党にも近く）築地の鵺のやうな存在だが嶋氏の指摘する民主党（岡田代表）の「３分の２の改憲勢力を阻止」は、これぢゃ55年体制の社会党。改憲にせよ安保にせよ自民党批判だけでなく保守層や無党派層も取り込む代替案が必要。政権交代前夜の民主党には自民党にない政策があつたが政権交代後の挫折で今はそれも期待できず。「アベノミクスは破綻した」と非難だけではまるで日本経済の失速を願つてゐるやうで（アタシもか？）改憲もアベノミクスも安倍政権が用意したものなのだから「阻止と反対だけでは土俵に引きずり込まれた結果、ウイングさえ広げられずに終わってしまいかねない」と。確かに。
▼Emerson, Lake & Palmer（ELP）のKeith Emerson氏逝去。享年七十一。クラシック音楽をきちんと聴く＝音楽だつた若いアタシがロックに関心も持てるきっかけになつたのはELPの『展覧会の絵』（1971年）だつたかDeep Purpleの“Concerto for Group and Orchestra”（1969年）だつたか、今となつては不確か。
