富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2016-01-20

農暦十二月十一日。大寒。晴。東京も今日が最後。旅寓での朝食済ませ旅荷片付けデパート開店時間に合はせ新宿に向かひ家人と高島屋入り口で別れ東急ハンズで買ひ物しようとしたら財布がない。朝から財布開けてゐないので旅寓に預けた手荷物の鞄に財布を仕舞つたやう。Suicaでなければせめて地下鉄に乗るところで気づくところだが。仕方なく麻布十番に戻り旅寓で財布を出して仕切り直しで出街。今更、新宿に行く気もせず六本木ヒルズ界隈。少し早めの昼餉に天ぷらが食べたい。ヒルズの中に「みかわ」の天ぷらあるがヒルズから西麻布のほうに少し向かふと川奈といふ天ぷら供す関西料理の店があり、口開けの客で酒一合を熱燗で天ぷらいたゞく。六本木ヒルズ森美術館でフォスター+アソシエーツの建築展参観。フォスター卿にとつても1980年代の香港上海匯豊銀行(当時、今のHSBC)の香港総行大厦は画期的と改めて認識。快晴で眼下に東京を近郊まで一望。天ぷらで満腹のはずがシナボン供すカフェあり魅惑に勝てず一服。旅寓に戻り家人と待ち合はせ、新宿で「グリコばっちり買いまショウ」のはずが収穫なき訳を話しタクシーで東京駅。噂には聞いてゐたがトランク収納スペースの狭い成田エクスプレスは中国人客の爆買ひもありトランクが収納しきれず通路まで塞ぐほど。成田第2ターミナル、第2サテライトに向かふ空間がかなり開放的で寛げる空間がさまざまあり。 下手なエアラインラウンジよりプライバシーの保てるフットレストつきのリクライニングチェアには驚き。CX505便で香港に還る。予定時間で飛行機はハッチ閉めたが暫く進むと走行を止め機長から「夕方のピークアワーで離陸機が多く当機は10番目の離陸、あと30〜40分かゝる」とアナウンス。実際の離陸まで小一時間要す。機内食のあと機内照明落とし多くの客が眠るなかアタシは消音のイヤホンしてゐたがぺちゃくちゃと大声で会話五月蝿く寝ておれず。周囲の乗客見渡すが皆静かで誰かと思へばギャレーで客室乗務員三人の広東語での姦しい雑談。ギャレーのカーテン開け「静かにしなさい」と告げるとチーフパーサーは謝りつゝ業務連絡あつてと言ひ訳。「雑談なのはわかってゐますよ」と広東語で告げると「あ……」とやっと反省。香港も摂氏16度と少し寒く小雨。すでに三更で荷物多くエアポートエクスプレスで中環に行くとタクシー混むと思ひ空港からタクシー。タクシー乗り場には各ブイに職員配置し乗客から行き先を聞き運転手に伝へタクシーのナンバー書いたメモを乗客に渡し車のトランクに荷物を入れたりしてくれるがアタシが手押車からトランクおろしてゐると、それを手伝ふどころか手押車の手元に置いてゐた一番貴重なビジネスバッグに手をかけ、普通、これはしないだらう、と思つたが、こともあらうにアタシのバッグをアタシの前にタクシーに乗り込んだ客の、そのタクシーの助手席の扉開けアタシのカバンをそこに置くではないか。あり得ない間違ひ。その手押車が前の客のなら「これを忘れないで」だが、その手押車からアタシがトランク下ろすのを見てゐて、の仕業。「おい、何をするんだ」と職員を止めて、そのタクシーからバッグを奪回して事なきを得たが、この職員一切謝りもせず、たゞぼんやり。タクシーのトランクに荷物を仕舞ふのも手伝わずアタシに行き先も聞かず、たゞぼさーっと企つてゐる、かなり変な奴で言葉もなし。いつも旅から還ると荷物すっかり片付けるが流石に今夜は疲れ洗濯物だけ出して終はり。
Fookpaktsuen twitter
富柏村サイト www.fookpaktsuen.com