富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

Elsie Tu刀自

fookpaktsuen2015-12-09

農暦十月二十八日。小雨。昼から本降り。あまり降らないといふ天気予報に油断して折畳傘で靴も油断。晩におでん煮て熱燗。
▼昨日、戦後香港の社会運動家立法院議員等務めたElsie Tu刀自ご逝去。享年百二。戦後の香港で民生向上にかけた情熱。香港の市川房枝……だが老いらくの恋で杜學魁先生とご結婚。英国系中道左派社会民主主義者だとお見受けするが司徒華、Martin李銘柱らリベラル派が天安門事件、中国民主化一国二制度堅持といつた点で反中化するなかElsie Tuは保守化、親中派のレッテル貼られ実際にRegina葉劉淑儀らとの距離も縮まつたが、この刀自の辿つた立場は迂生なりにしみじみとよくわかるところ。もう四半世紀も前のことだが杜夫妻が経営する観塘の慕光書院で學魁先生が保管してゐた戦前から戦中の日本語書籍の整理と処分を中文大学で当時、日本史を講じてをられたL先生に持ちかけられ、その打合せにアタシも末席汚したがL先生の怠惰で、その作業はされぬままに終はつてしまひ學魁先生も亡くなられ、数年前に慕光書院に連絡をしてElsie Tu刀自にも確認をお願いしたが、その書籍については記憶にない、とのことで学校関係者にも書籍の置かれてゐた階段隅の倉庫にも書籍らしきものはない、で終はつてしまつた。残念。ところで學魁先生に許可を貰ひ、その書籍の中から一冊いたゞいてきたのが戦前の『隠語辞典』で、これは同仁齋兄、久が原T君に複写して差し上げた。

正確には、このカーテンドレスさんは推薦状を書き送付元は産経新聞出版そのもの。