富柏村香港日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴る日剩でござゐます

執筆はひとりで揚げるカキフライ

fookpaktsuen2015-11-30

農暦十月十九日。しばらく香港を空けたので忙しい。写真は香港の飲食店がアルコール販売で必要なリカーライセンスなるものの公示。新聞の片隅で、意外と見たことない人も多いはず。
▼周末に郡山であつた文学イベントにサプライズ参加のハルキムラカミ。「僕はカキフライの話をします」と、やはりこの人はすごい。大好物なのに家人は揚げ物嫌ひ。だから1人で揚げることになるが

1人で食べるカキフライはおいしいけど、寂しい。寂しいけどおいしい。孤独と自由の関係のように永遠に循環する。自分の中にある言葉を一つ一つすくうという作業は孤独な作業で、(小説を書くことは)1人カキフライに似ている。自分が小説を書いていると思うと頭が重くなるけど、カキフライを揚げているんだと思うと、楽になります。

……って、何も意味がない、が、すごい。こんなセリフを毎年、ノーベル文学賞候補になる作家が吐くってんだから。今どきの首相が「軍事力を背景に平和を語るウソも恥ずかしいけど、ノーベル賞候補といわれる、日本を代表する作家の「書く」という行為がカキフライを揚げることだといわれてしまうと、作家になりたいと思う僕は、その前に料理も覚えなければいけないことになる。まだ、この作家に「とにかく走れ」と言われるほうが、僕にとっては精神的に楽な気がする。でも、そんな当たり前のことを言わずに肩すかしのようにカキフライを揚げられては、僕はただ困ってしまう……。とにかく、このカキフライ発言は大したもの。フィギアスケートの最高点出しても「くまのプーさん」のぬいぐるみで喜びを表現してしまふ羽生結弦にも勝る、この発想と表現「活動」である、これでも。高校生が「1人の作家の本しか受け付けず、他の本を読めなくなってしまった」と問へば

  • 人間には偏らなくちゃいけないときがある。偏るだけ偏りなさい。でも硬直しちゃいけない。

と、もはや宗教者のやう。ついてゆけない。
秋篠宮半百。戦後70年に戦後も20年過ぎて生まれた宮も「戦争を振り返る一つのきっかけになるが、そうでなくても常に記憶に残しておくことが必要だと思う」と父君や兄と同じく戦争について。そりゃ祖父が背負つた「リスク」を考へれば皇族の平和願ふ気持ちは民草とはちと違ふ点もあるが。
▼晋三支持率回復で47%だとか(日経)。安保法制強行採決も「喉元過ぎれば」で晋三らの期待通り。日本人の許容の美徳か。自民党結党60年で朝日の報道がやたら執拗。やはりあれだけ宿敵扱ひされると。自民党員に対する調査で党是たる憲法改正を「早く実現したほうがよい」は34%に対して「急ぐ必要はない」が57%で過半数以上。9条を変えるほうがよいは37%で変えないほうが良いは43%と、これも晋三の狙ひと相反で自民党に一番力を入れてほしい政策は社会保障や景気で憲法改正はわずか6%である。それでも晋三が総裁・首相であることが評価される。これを御厨先生は「政権交代を経験した党員の、今の安定を教授していたいという気持ちの表れ」と分析し景気・雇用と社会保障の充実期待するが安保関連法案の成立も良かったと思ふ。結局は「自民党の安定が続くなら、それで良い」といふ、何とも思考停止。そこから何も生まれないし、何か考へ世の中をよくしていこうといふ意欲もない。これを保守と呼ぶなら大間違ひなのだが。