富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

日経のFT買収が情けない

fookpaktsuen2015-12-01

農暦十月二十日。朝、北角で公園を通りかゝると猫の甘える声がして現れたのが、この子猫。エメラルドの目。お腹空いた、なのかしら。家に連れて帰りたい衝動、だが陋宅居間のラウンジチェアは間違ひなく猫には格好の爪研ぎ。まだローンも終はらぬイームズのそれがあつては猫も飼へぬ。JALが岡田屋(つまりAeonのことだが)と提携してカード提携。岡田屋で買物するとJALのマイルが貯まります。これまでマイルはCXに集中してゐたが日本人倶楽部での会食はANAのマイルにし始めたので岡田屋はJALにしてみませう、と申請してカード受領手続きに太古の岡田屋へ。顧客服務カウンターで、やたら現金出納多く何事か?と思へばAeonが香港では手広く消費者金融してゐるので、その借金と返済の客。何かと深刻な空気漂ふやうに見える。食料品コーナーで早速カード使つてみるとレヂではカードデータ読み取るだけでサイン不要、セフル清算の場合はポイント獲得のためカードデータ読み取りはするが支払ひはオクトパス。
毎日新聞山田孝男「風知草」より。日本共産党はかつて天皇制と対ソ防衛としての武装の必要性から改憲政党だつたが今は護憲に。(以下、要旨)

今月、結党60年を迎えた自民党は「対米従属」政党だと不破は言う。自民党は「戦略的協調」だと自民党は反論するに違いない。が、不破が批判する対米従属の中身は具体的。国の主権が制限された在日米軍基地の治外法権、日米防衛協調の緊密化。これらは保守与党が軽視すべき課題ではない。ましてや国家主権の確立へ憲法改正を窺う政権政党が問答無用と切り捨てるべき対象ではない。

非戦、自立の世論がある一方で民主党への政権交替に懲り変化を躊躇ふ世論も根強い。対米自立なら日本をどう守るのか、そこまで踏み込んだ議論が入る、と孝男さん。御意。だが、そこまでできないから対米従属で永遠敗北となる。ところで自民党の結党60年といへば式典にラ式蹴球の五郎丸選手がゲストで晋三と握手。当然のことながらラガー森君の仕業。近代スポーツは国家権力の装置の一部。
特定秘密保護法完全施行。これにより「適正評価を通った人だけが特定秘密を扱う」体制整つたといふが、本当に国家機密に触れようとするインテリジェンス集団はこんな適正評価など容易に掻ひ潜る。さういふ意味では、こんな法律は用をなさぬ。ではなぜ必要か?はむしろ対象は諜報防止ではなく、この法律を使つた実際にインテリジェンスでも何でもない、単なる反政府的な、反体制的な行為の制御でしかない。今日の朝日新聞池澤夏樹「終わりと始まり」より引用。

今回のパリの事件について安倍首相は「テロには屈しない」というメッセージを出した。勇壮にして内容空疎、と読んではいけない。日本人が人質になっても日本政府は救出の努力は一切しないという意味なのだ。海外に出る時も、また国内で呑気に暮らしている時も、保護はないと覚悟しておこう。


日経がFT買収完了と自己満足記事に沸く(こちら)。2面の「FT買収 1000日の計」日経曰く「今がラストチャンス」といふ記事はとびきり情けない。「日経・FTグループという世界最大級の経済メディアはどのようにして生まれたのか。メディア産業史に残る買収劇は3年前、一通の手紙から始まった」と日経社長の恒雄は恒雄でも喜多恒雄からFTの親会社ピアソン首脳宛の親書がきっかけと記事は始まり、買収劇話は昨日の「11月30日、テムズ川に臨むFT本社。買収手続きを終えた喜多はリディングと固い握手を交わした。英国に親書を送ってから1000日あまりがたっていた」で終はる。冷めたFTの論調(こちら)に比べ日経の欣喜雀躍ぶり。日経にとっての心配事は社内で「公用語が英語になるのかも」である。読んでゐて、こゝまで恥ずかしくなる記事も珍しい。日経の資金繰り悪化を誰か記事にしてあげないと。