富柏村香港日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴る日剩でござゐます

上海二日目

fookpaktsuen2015-11-27

農暦十月十六日。朝五時起き。上海浦東の某所に閉じこもり終日会議。終はつて晩に「柚子」といふ日本料理屋で宴会の末席汚す。早い時間から若者たちで超満員。豪勢にまぁ飲むは食べるわ。豊かさ満喫。数名とホテル前のカラオケ上がりの女性営むショットバーで飲み三更に至る。
▼晋三こそ財界の男妾か。法人税を現行の32%から次年度は20%台に引き下げるといふ。「日本企業の国際競争力強化で経済好循環につなげる」といふ。企業が今の世界情勢で投資に向かはないのは明らかで社蓄増やすだけ。アベノミクスさへ成功に見せられれば国家財政の健全化も後回し。
原節子について。演技ではなく、その存在感によって小津映画の“品格”を実践した人だった。戦後の荒廃した日本で、映画の中に日本人のモラルをどう見いだすことができるか。それが原節子に課せられた役割だったと思います……と篠田正浩監督。「その存在感によって小津映画の品格を実践」は納得。だが戦後=荒廃だとか「日本人のモラル」とかは疑問。日経で佐藤忠男先生の原節子追悼(こちら)を読む。黒澤明の戦後第一作〈わが青春に悔なし〉で演じた反戦活動家の妻役は「まるでヒステリックであって現実性がないという批評が多かった」「そもそもこんな女性は戦争中の日本にはいなかった」と批評されたが、これに疑問感じたのが佐藤先生が映画批評に関心を持つやうになつたといふ。「日本映画ではそれまでに見たことのない役柄だから生硬な演技だったかもしれないが、では他にスター女優の誰がこれを演じられただろうか」と。小津の〈晩春〉について、あれこれ言はず「日本家居での日本女性の立居ふるまいの美しさ」と。
毎日新聞で西川恵(客員編集委員)の「異邦人の歌声」秀逸。フランスのロック歌手・サフォー(65)について。摩洛哥の裕福な猶太人家庭に生まれパリで自由な青春を謳歌するが「パリのアラブ人にとって私はユダヤ人、ユダヤ人コミュニティーは私をアラブかぶれ」と見られフランス国籍は取つたが「モロッコ生まれ」には偏見も。「私はフランスに同化したとは思っていない、相変わらず異邦人で、アラブ、ユダヤ、フランスという二重三重の国と民族を体現している」としつゝ彼女がデビューコンサートをしたバタクラン劇場前の追悼集会で、仏、英、アラビア、ヘブライの各国語で「ラマルセイエーズ」を歌つた由。