富柏村香港日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴る日剩でござゐます

深圳三日目

fookpaktsuen2015-10-25

農暦九月十三日。今日もラウンジで朝食は口開け客。オレンジジュース、トースト2枚にプレーンヨーグルトと珈琲。ビュッフェ形式で我ながらストイック。今日もジムのトレッドミルで走る。モニタでNHKを選ぶと少年倶楽部とかいふ番組でジャニーズが中村獅童相手にトーク眺める。昼は香港から持参の日清の即席うどん。出かけないための一食。無聊な時間。客室の窓越しに森の向かふの中国文化村のアトラクションでMCの声が聞こえてくる。日曜の新聞読み。ホテルにゐる限りは蘋果日報までネットで閲覧できるので中共にゐる不自由は全く感じない。菊花賞の中継を見る。馬券買つてゐたらリアルスティールだつたが追ひ上げ足らず北島さぶちゃんのキタサンブラックが優勝。午後4時に退房。ラウンジで珈琲飲み未だ無聊な時間。地下鉄で国貿。蕎麦人で飲む。菊正宗の冷酒と辛丹波お燗。もりそばで〆。蕎麦人出たのが19時でイミグレが多少行列だつたのと東鐡で混雑嫌ひ1本後の列車待ち、紅磡からタクシーで陋宅着が21時で2時間。列車が旺角東で車掌乗り込み一等車の車内検札。怪しい客は九龍塘で降りてしまつただろ、と思つたが検挙されたのがフィリピン人だか子ども連れの4人が「一等だと知らなかった」と弁明するが言ひ訳聞く耳持たれず罰金は4人と小人でHK$2,500は痛手で不憫。野坂昭如の短編『ベトナム姐ちゃん』読む。悲しい話なのだが、どこかユーモラス。野坂得意の饒舌体。

イラク「征伐」と当時、加藤周一先生が呼んだ妙。桃太郎が正義で鬼は悪、一方的な理屈で相手をやつける、まさに征伐以外の何ものでもなかつたわけでイラク大量破壊兵器がないことなど当時アタシだつて先づ間違ひないと思つてゐたが、その勝手なインネンで一方的に攻撃に出て幾千万といふ生命奪われ、それに対して一言の謝罪で済むといふのだからブッシュ、ブレアといふ連中の性根まさに疑われるばかり。それもよく聞いたら「入手した情報が誤つてゐた」といふ事に対する謝罪であつてフセイン成敗ぢたいは間違つてゐなかつた、と罪改めず。少なくともイラク征伐がイスラム国対等の主因と認めただけでも未だ正直か。この国政、国際政治に影響ある方々の謝罪観念、これでいけば福島核禍もアンダーコントロールと宣つた晋三もアトになつて「さう判断された当時、我々の得てゐた状況認識に謝りがあつた」で済ませられるしアベノミクスもTPPも同じで、いくらでも言ひ訳可。その程度の認識の指導者の下、犠牲になる側はたまつたものぢゃない。少なくてもベトナム戦争までは「反共」といつた大義名文あり、それに基づけばいち/\判断につき誤謬謝る必要もなかつたのだが冷戦以降は共産主義が「テロリスト」に変わつたものゝイスラム国を含め世界的に敵にするにはビン=ラディン、フセインとて一時の憎悪ばかりで恒久的な力量は役に不足、どうしようもないドン詰まり状態。
野坂昭如コレクション〈1〉ベトナム姐ちゃん

野坂昭如コレクション〈1〉ベトナム姐ちゃん