富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

民主主義のセーフティネット

fookpaktsuen2015-09-23

農暦十月十一日。秋分。快晴猛暑。昨日、新刊書一冊読んだだけで今日は本が読めない。新聞は毎日何紙も目を通すが、あれは習慣で、小説読むといふことにいかに慣れてゐないか。神保&宮台の「突破された民主主義のセーフティネット」見る。晋三により「民主主義のセーフティネット」に大きな穴が開けられたこと。憲法9条改正困難と見るや現行憲法下で集団的自衛権行使可能にする解釈改憲へと舵を切り、内閣法制局制覇、マスコミへの介入、閣議決定、国会での強行採決……これまでは常識的に誰も手を出さなかつたことが晋三だからできる事実。その晋三の動静。昨日、鳴滝村の別荘での静養終へ午後、静岡の富士霊園。岸信介、父慎太郎の墓参。東京に戻り岡崎久彦元タイ大使*1宅と小松一郎・前内閣法制局長官宅で弔問。いずれも安保法制立法化を墓前に報告か。あんな中途半端な骨抜き法制で故人は許してくれるのか。他国の脅威に備えるために9条改正必要と考へる現実派は安保法制成立で目的果たせてと考へるが、9条改正論者の多くは「押しつけ」といふアイデンティティ先行で「戦後レジームからの脱却」と言ひながら現実的には対米追従認める「ねじれ」は今回の安保法制で深まつた、と中島岳志先生。
東京新聞20日掲載の「安保関連法本会議投票行動」一覧のうち衆院中村喜四郎議員(無所属、茨城7区)について「賛成」とあるのは「退席」とお詫び記事。喜四郎さん曰く「集団的自衛権の行使容認は必要だと思うが憲法解釈変更ではなく憲法改正でやるべきと考えている、審議も不十分と思い採決を退席」。真っ当な判断。自民党にはこのやうに考へる議員少なくないのでは。無所属だからできた判断で党内絶対主義に陥つた自民党ではこれが無理。

*1:2007年に晋三(第一次)の集団的自衛権保持に関する私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会有識者委員。