農暦八月十二日。快晴。まだ暑いが雲ひとつない快晴で天高し。歩いてゐても明るさと、亦た陰翳も愉快。夕方、中環の一樂燒鵝で焼鵝頼粉啜る。FCCでバーＳのＭ氏と待ち合はせ。Boddingtonsの缶を常温で注文され気がきく
ウェイターが地下の倉庫から常温のを運んできてくれる。Ｍ氏の注ぎ方もさすがプロ。二人で近くのLalique商店でAmexの上級カード招待でThe Macallanのウヰスキー試飲会あり末席汚す。ウェルカムドリンクがFine Oak12年物で立ち飲み。試飲会会場に移りウヰスキー評論家のRon Taylor氏の講釈聞きながら順に 1851 Inspiration → Sherry Oak 12y → Fine Oak 15y → Fine Oak 17y → The Macallan Rare Caskと進む。1851と最後のレアカスクは１本３万円くらゐの高級酒。タイラー氏曰くウヰスキー価格の高騰はいゝウヰスキー製造には樽が重要でウヰスキー需要高まり樽不足で価格高騰もあり、と。なるほど。蘇格蘭人としてマッカランの旨さ語るなかで否応なく日本ウヰスキーに言及。自分自信もそれが繊細な個性で旨いとは思ふが発売されるウヰスキーの種類の多さはまだ過渡期で「これが山崎」といふ個性の極みに至つてをらず世界的にブレイクすると在庫不足、何年にもわたり品切れといつた供給の不安定は……と苦言、それに比べて蘇格蘭のウヰスキーは……とぢまん。そりゃその販促に来てゐるのだから当然か。この場に日本人ゐるとは思はず、であらうし折角だから
「昨晩はブライトンで……かうなれば是非とも貴国の優勝をば祈るところ」と声かけやうかと思つたが試飲会終了後も話す機会なし。途中ですでに店開けに出勤のＭ氏。帰らうかと思つたが試飲会の途中にカナッペも頬張らずにゐたので空腹感あり少し上環の方にあるき路地裏の健康拉麺でラーメン啜る。
▼地唄舞の吉村文章兄より礼状届く。昨日は秋分の日、国立劇場での都新聞主催の舞踊芸能推薦名流舞踊大会なるものあり文章兄出演。演目が「鐘ケ淵」なので鐘ケ淵（墨田区）の墨田園から釣鐘最中をば楽屋見舞ひに送ろうかと思つたがスカイツリー人気の影響もあるのか和菓子人気でも通販なんてやってられないよ、なのか電話で連絡もつかず奈良の平宗より柿の葉寿司送る。
▼NHKの「LIFE!」なるコント番組。最初余り期待してゐなかつたがNHKの番組制作に関して役員が制作に物申すといふ楽屋ネタと宇宙人総理が、いずれもNHKの報道姿勢に圧力かける晋三に映りNHKにしてみればコントでモンティパイソンと迄はいかずとも少しでもかつてのBBC的な権力への揶揄か。偶然とはいへ宇宙人総理の国会解散総選挙が参院の安保立法審議に重なり番組では生放送で視聴者のオンタイム投票呼びかけ晋三連想させる権力の横暴への批判に対して賢明な視聴者は？宇宙人総理の地球侵略の暴走見たさが勝り46：54で宇宙人総理の人生党勝利。そこで地球に宇宙船から降臨してきた宇宙人総理の母（樹木希林）。息子（総理）に「なんで国民みんなが迎えに来ないのかい？」「康夫ちゃん、私、歓迎されてないんじゃないのかしら？」と問ひ「康夫ちゃん、人の上に立つものは反対する人の意見こそ受け止めなければいけないよ」として歓迎されてゐない中で地球に暮らすのは辛いと宇宙へ帰らうして息子に言ひ残す言葉が「見切り発車はかえって反感を招くものよ、康夫ちゃん、総理大臣だからといって何でも思い通りになると思ったら大間違いだよ、決して結論を急がないようにしなければ」と説き最後は｢あなたのお父さんも……お祖父さんも……｣と明らかに晋三諭すが如し。樹木希林天晴れ。
