富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

安保法制廃止の国民連合政府実現、と代々木

fookpaktsuen2015-09-19

農暦八月初七。いつも晩は九時、十時に寝てゐるアタシが参院中継を最後まで見て深更。朝起きて「安保法案成立」の新聞眺める。読売新聞なんて読んで不愉快になるだけだが開いてみると社説に日本は、なにごともなかつたかのやうに五連休。政治的見解異なるが信頼をける霞ヶ関官僚の畏友と四方山話。本当に深夜までの大詰め嘘のやうに秋の連休ムードだ、と。それにしても小熊英二先生指摘するやうに思ひ返せば五年前、まだ福島核禍も震災も起きていなかつたとき日本では大きな社会運動起きず国民は政治に無関心で若者は声を上げないと思はれてゐた、国会周辺が人で埋まるなんて有り得ない、そんな日本が変はつた、と。確実に空気が違ふ。樋口陽一先生に国会前で政権は「憲法のみならず、これまで積み重ねられたあらゆるものを壊そうとしているが壊れないものを私たちはつくった、何があろうとも壊れない、壊させない、それが、ここにいる人たちとの絆です」なんて発言までさせたのだから。安倍政権なければ「憲法が政権を制する」ためのもの、なんてこともこれほど人口に膾炙することもなかつた(宮台先生)のだし。夕方、出先でタクシー来ずUber利用するとコンソールの位置に巨大なiPadあり。Telsaといふ電気自動車のSシリーズだ、と自慢げな運転手。停車中にエアコンつけてゐても排ガスないので問題なしなんださうな(電力消費は時速10kmで走ってゐるくらゐ)。今日の午後遅く代々木が志位委員長名で「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府実現よびかけ」(こちら)発表で記者会見。長谷部先生(昨日の東京新聞)の「今回の安保法制廃止法案提出して成立させるだけではダメで集団的自衛権行使容認の昨年七月一日の閣議決定を「間違っていた」と元に戻す必要あり、そのためには閣議決定必要で自民党政権がこれをできないので政権を変えるしかない」といふコメントも引用で代々木にとつては初めての野党反自民党政局への選挙協力呼びかけ。戦争法に( )書きだが安保法制とするだけでも共産党にしてみれば現実路線。記者会見でも確認されてゐたが、これまでにも他の野党との協調は60年安保での反岸の動きや1989年の消費税廃止等あり選挙協力は沖縄など実績もあるが共産党から広選挙協力呼びかけは初めての由。共産党をこゝまで決断させるとは。党の綱領では民主連合制→最終的には党の単独政権といふプランあるが志位氏「綱領的には」といふ部分強調のやうに聞こえ「現実はもっと柔軟」と言ひたいのかしら。今日の日経の「首相、悲願達成へこだわり 支持率犠牲に保守カラー」といふ記事(こちら)も興味深い。安保法案は重要な政策の一つ、だが、これの立法化の代償で「憲法改正はすぐにはできない」のは、今回の法案を巡る混乱で改憲機運盛り上げは困難、突き進めば国民が本気で「政権が暴走」と見られるからで、安保法案に政権の体力消耗で当面は支持率の回復=景気回復だが2017年4月に消費税率10%あるなか中国経済変調の影響もあり見通し暗く来夏の参院選を前に公明党増税時の負担軽減策に反発で……景気失速でアベノミクス失敗恐るところ、あと3年の総裁と衆院任期で悲願たる改憲の道筋つけられるか、と。かうして考へるとまず無理だらう。晩に豚と冬瓜の鍋。ブラタモリの博多編見て寝る。
半藤一利「歴史に学ぶ」今日の朝日新聞こちら

  • いま安全保障を考えるとき、『軍隊による安全』という視点ばかりが正面に出てきます。軍の存在が抑止力になる、といった議論ですね。でも本来は『軍隊からの安全』という視点も必要なはずです。日本人が憲法9条を受け入れてきた背景には、もう殺し合いをしたくないという思いだけではなく、軍隊からの安全を求める思いもあったのだと思います。
  • (日本が大国を)目指すも何も、単純に「不可能」でしょう。こんなに自給自足ができない国、借金が1千兆円もある国が大国になれるわけがない。それが現実です。