富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

特区行政長官凌駕三権

fookpaktsuen2015-09-13

農暦八月朔日。晴。ジョギングしても気温は摂氏27度なのだが秋風でかなり涼しく感じる。午後遅く家人と久々に九龍城。食料品買ひ出し。店やの犬、猫がまぁ可愛いこと。方榮記で火鍋。火鍋はあまりに大人数で食べ散らかしばかりだつたので今晩は二人できちんときれいに。さすがに満腹で甘味なしで帰宅。九龍城の果物やで熟しきつた日本の桃を1個HK$10で投げ売りだつたもの贖ひ、これを頬張る。やっとこさ週間読書人3週間分読む。
蘋果日報の一面トップに中聯辦主任の張曉明が香港基本法成立25周年祝賀の場で「香港の行政長官を中心にした行政主導体制で中央政府の下にある行政長官は特区の三権の上にある特殊な法的地位」と宣つた、とあり(こちら)。SCMPも
‘Hong Kong leader is above the executive branch, legislature and courts’, says Beijing’s liaison chief
こちら)とあるので大袈裟報道ではないらしい。さすが一党独裁中共らしいトンデモ発言。Elsie梁愛詩ですら、この発言については慎重に「すべて基本法にある通り」とコメント。だが実際には1997年からの事実。それを公言したに過ぎないか。2010年の司法年開始にあたり裁判官]トップのAndrew李國能が“"The Hong Kong system involves checks and balances between the executive, the legislature and the judiciary”と謳ひ後任のGeoffrey Ma Tao-liも“"The Basic Law sets out clearly the principle of the separation of powers between the legislature, the executive and the judiciary, and in quite specific terms, the different roles of the three institutions”と香港の法治讃へても香港の中共トップがこれじゃ法治もなし。その行政長官不人気は山の中まで、で岩肌にまで。 [ちょとやりすぎ。せいぜい人が崖を転げ落ちる「鉄砲水注意」の看板(小心山洪)に書き込みくらゐなら「上手い」と思ふが。
▼従来、反共理念を支えてきた復古的な目的意識は「右寄り」のネーションステート関係を求めたが、グローバル資本主義覇権体制護持のための安保法制(+TPP)では、この関係に深刻な断裂を招いてしまっている。これが(天皇の)「おことば」が「安倍談話」よりラジカルに響いてしまう背景をなしているといえる。安保法制の脱ネーション性の前にはもはや右も左もない。なんとも不思議な時代になったものだ。(羽根二郎:週間読書人論壇時評)