富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

Doppeldeckerbus

fookpaktsuen2015-09-01

農暦七月十九日。今日、新界を車で走つてゐて沙田の競馬場から高速を大埔道の方に上がり火炭站に入る道とのロータリーのところで明らかに路線バスの写真撮影に勤しむ御仁あり、それが北京在住のバス&鉄道愛好家O氏にクリソツ、えっO氏来港?と思つたが「まさか」と思ひ引き返しもしなかつたが晩に顔本見てゐたらO氏来港中で上環で夕食会とあり。あ、やっぱりさうだつたか、と思ひ昼間の件尋ねると、確かにその付近に行つたは行つたが昨日のこと、と。では今日のは残影か。つのだじろう。O氏昨日乗物撮影地点は大埔道のロータリーからは300mほど離れた吐露湾公路だつたが至近距離。ドッペルゲンガーか?とぞっとしたが路線バスなのでDoppeldeckerbusか……。晩に鰂魚涌のPara Siteといふギャラリーでいがらしめぐみ(ろくでなしこ)さんのトークイベントあり。「マンコ」といふ言葉がこれほど自然に語られる空間。むしろマ◯コとか書くことが、いかに淫靡か。この女性器で人口に膾炙した芸術家の話は、女性器をアートの題材にしたところ中年の男性にとつて女性器がまるで男性の愉しみのためにあるやうで、その「マンコを女性に取り戻したかつた」と。女性器を明るく扱ふだけで猥褻とされる社会。警察のあまりに異常な判断で逮捕されたが罪状認め多少の罰金払へば済んだところ拒み禁固刑で服役、そこで見た塀の内も面白く漫画になる話題ばかり、服役後シャバに出てみると以前より自らの女性器アートで脚光浴び女性の支持が高まつてゐたといふ。日本に限らず古代から性に大らかであつたはずが近代以降は官憲の性の規制厳しくなり、日本はポルノが男性雑誌等これほど露見される社会も世界的に珍しいが「男性が見ること」に大らかなだけで女性が自らのマンコを題材としてでも露出することは異なるらしい。今回いがらし嬢がかうして香港にゐるのも裁判は上告で150万円積み保釈されてゐるからださう。北京にも行つて艾未未に会つたさうだが当時は旅券没収で海外渡航できずにゐた艾未未が有罪否認で控訴中でも北京に来られるのは「マンコがあなたのパスポートのやうなもの」だからだ、と。かうして話を聞いてゐると30人ほどの聴衆集まつてゐたが、このアーティストが奇異でなく感じるのは「日本がヘン」といふこと。悲しいが福島核禍のごまかし、東京五輪2020での競技場建設計画見直しやエンブレム盗作疑惑……何につけ「日本ってヘン」である。晋三にしても今日のSCMP紙はほぼ一面大のAP記事で“How Shinzo Abe reawakened Japan's protest movement, outraged at his rethink of constitution”(こちら)と題して日本の安全保障に関する政治問題と安倍政権なるものを冷静に分析。これは本来、日本の報道がすべきこと。ろくでなしこトークイベントは、まるでマンコが呼び寄せたやうに知己の諸氏と会場で邂逅。後半も地元アーティストとの続きあつたが家人と中座。近くの炳記飯店で軽く夕餉済ませ帰宅。此処の秘製三杯鶏、美味しうござゐました。翌2日の蘋果日報「3D打印陰道 真藝術非色情」といふろくでなしこさん特集記事(こちら)。

日本社會有時頗精神分裂,色情工業蓬勃至極、AV情節異想天開,但性尺度卻存在極端的性別分歧。每年4月的「男根祭」(神道生育節),成千上萬人穿街過市作陽具崇拜,社會直呼男根毫無限制,但女性的玉門卻成忌諱。(略)五十嵐惠的案件引起國際關注,包括對言論及創作自由的監控。不過,也有人批評她刻意消費女性和性器,譁眾取寵博出位。聽罷,她發出一陣嬌嗔,「啊!能夠成名很好吖,哈哈哈。其實,人家怎說我不關心。」緊抿的雙唇帶着倔強。「你覺得自己可以令社會make a difference嗎?」我問,五十嵐惠莞爾一笑說:「不做就一定不行。」

▼今日の蘋果日報のイメージ記事「有一種幸福叫返學」秀逸。「学校が始まる」といふことが、これもまた幸せ、と。

「出嚟做嘢你就知!」從前嫌功課考試辛苦,這句總聽過十遍八遍。
踏進社會,「九月一日」只是個平常的工作天。但在地下鐵碰著穿校服的學生,你偶然會想起那些讀書的時光:那個每天小息都會偷看的他,那本在抽屜偷偷看的漫畫(後來的是玩手機吧),那位上課總是打瞌睡的同學,還有那些一起流過的汗水。
如果可以再來一次,會更珍惜讀書的日子嗎?
祝莘莘學子有個好開始。出嚟做嘢你就知!

長い夏休みが終はつて、あーまた進級で新年度が始まる!と勉強が憂鬱になつた学生の頃。だが社会人になつて見ると九月一日はただの出勤日。地下鉄で制服を着た学生を見ると、あの当時の楽しかった日々を思い出す……学生諸君、新学期おめでとう!と、これはまるで山口瞳の世界。