富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2015-08-07

農暦六月廿三日。猛暑。虎ノ門四日目。神谷町から虎ノ門に歩く途中で栄閑院猿寺で杉田玄白の墓を拝す。今日ある人の話で米国がいかにドラッグ蔓延かといふ例で米国の留学時代に試験前になると「眠くならないから」とマリファナを友だちに要らない?といふ学生がゐる、と。マリファナ一服したら試験勉強なんてしないだろ、と思ふのだが。夕方仕事終はり赤坂見附経由で新宿三丁目副都心線コンコース上の地下道初めて歩き南口に出て東急ハンズ。細々したもの贖ひ、いつも1万円にならず消費税還付も受けたことなかつたが今日は「究極のスライラス」Su-Penとリフィール購入で1万円超へ初めて免税適用でお買ひもの。東口地下のベルグでハーフ&ハーフ飲み伊勢丹で待合せ三丁目の「鼎」。電話予約はもう満席といはれwalk-inとなつたが「時間制限ないので、いつ席が空くかわからない」からと「お名前と電話番号」と求められ二人して携帯がないといふと「それじゃお呼びできないのでどうしようもないですね」と店員の、あまりの無愛想さに呆れ「あー、もういゝですから」と店員を除去。「なめらう」食べたと思つてタクシーで麻布十番鳥居坂下の「こま」も満席。満席といふか「鼎」もさうなのだがカウンターも空いてゐるが予約済みで、一流店ならまだしも、この程度の街場の飲み屋は予約なしでもいゝのでは?と思ふのだが。「鰓呼吸」で辛うじてカウンターで席あり。砂肝の唐揚げ絶品。5品の刺身で1480円也=HKD92、香港ならHKD920か。白飯で刺身が一番美味い。
▼戦後70年に晋三が詳らかに読んでゐないと宣ひ注目浴びることとなつたポツダム宣言。「押しつけ」はポツダム宣言だけでなく「米国的史観」であり、その呪縛にある日本、と書くとありがちな産経理論だが一味違ふ佐伯啓思先生(朝日新聞こちら)。歴史を常に正義と悪の戦ひと見なし世界征服を意図する「悪」に対する自由や民主主義といふ「正義」を奉じる人民の戦ひ、といふアメリカの歴史観が反映。しかし「本当に我々はその歴史観に納得し同調できるのだろうか」と佐伯先生。ポツダム宣言は無条件に受諾したが「ポツダム宣言に示されたアメリカ的歴史観」にまで無条件降伏する必要はない。……にもかかわらず戦後日本はこの歴史観を受け入れ戦前の日本を道義的に誤ったファシズム国家と見なしたのである。そうだとすれば、われわれは、今日のイラク戦争にも対テロ戦争にも反対する根拠はなくなる。「自由と民主主義」を守るために、アメリカと協調するほかない……と、こゝまでは、まだ聞いたことのある主張だが佐伯先生は更に「それがいやなら、もう一度、ポツダム宣言を読み直し、あの「戦後のはじまり」に何があったのかを再考するほかあるまい」と。さもなければ70年経つて「右」も「左」もいまだにポツダム宣言に呪縛されたまゝといふことになるであらう、と。